◇辞書で知った「四不像」に出合う◇
江蘇省の招待旅行では塩城市内にある大豊市の自然保護区で「麋鹿(ミールー)」を初めて見た。中国原産の大形のシカ科の動物だが、頭にはシカの角があり、顔は馬、体と尾はロバ、ヒヅメは牛に似ているが、そのいずれにも似ていないということから「四不像(しふぞう)」と呼ばれている。野生の麋鹿は20世紀前に絶滅したが、イギリスに移出されていたものを中国に逆移入して繁殖させ現在も生き延びている。「2012年大豊概況」(中共大豊市弁公室など編)によると、大豊市の保護区には現在1789頭が飼育されており、世界総数の3分の1を占め“中国麋鹿の故郷”と呼ばれている。
ハイヒールを履いたかのように気取って歩く珍獣の四不像(塩城市大豊保護区にて)
私は中国語を学習しているとき、「四不像」という単語を中国語の辞書で初めて知り、中国には不思議な動物がいるものだなあと感じいったものだった。保護区の川べりで、数10頭が群れをなしているのを今回初めて見て、一旦絶滅した動物がこうして再び生き返ったのは、関係者にはかなりの苦労があっただろう、と想像していた。
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