◇製作費は日中市民からの募金で◇
今年4月、江蘇省の招待で他大学外教の先生方とバス2台で、江蘇省北部の「江北の田園」地域を旅行した。市街地を抜けた郊外は一面の菜の花で埋まっていた。バスの窓外の景色だったので香りは車内まで届かなかったが、「千里一望、緑菜の花に映える」風景だった。こんな景色を背景に、古琴や二胡の音色を織り交ぜて「千里鶯啼緑映紅……(qianli yingti lv yinghong……)」と朗々と日本人の男優が吟唱する。これに呼応して中国人女優が「千里鶯啼いて緑紅に映ずる……」と日本語の読み下し文で応える。中国の漢詩を互いに相手の国の言葉で理解、鑑賞し合いながら、友情から愛情へと発展していくストーリーを私は想定した。
千里鶯啼いて緑菜の花に映える「江北の春」(塩城市内の泰州地区)
映画の製作費は日中市民から広く募金すれば、映画への関心とともに、中国文化にも興味を示すと思う。募金をしてくれた人たちには、映画のエキストラとして出演したり、映画鑑賞券を配るなどすれば、日中市民が協力して製作した映画となるだろう。費用の不足分は企業や団体から大口寄付を募ればよいのではないだろうか。
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