中国銀行国際金融研究所の報告は、「貸付金伸び率が予測より遅い」ことを中国経済が直面するリスクの1つと捉えている。
中央銀行のデータによると、2012年2月末現在、国内銀行業界金融機関の累計人民元貸付金残高は56兆2000億元で、同期比で15.2%増となり、伸び率は明らかに鈍化した。そのうち、2月の当月新規人民元貸付金はわずか7107億元で、1月度よりもさらに274億元減少した。これは、2月の新規人民元貸付金が最低でも8000億元を超えるという市場の予測とはかけ離れたものだった。しかもインフレ対策の影響で、今後貸付金規模が飛躍的に増えることはないだろう。
そのため報告は、貸付金規模総量の少なさが工業生産と固定投資の減少を招き、マクロ経済の減速リスクが増大することを懸念している。
中国政府の不動産調整効果の問題は、中国銀行国際金融研究所の報告が懸念する中国経済の大きなリスクであり、そして人々にとって最も身近な問題でもある。
報告は次のように記している。現在、中国の不動産市場では住宅成約面積が回復したものの、販売価格は引き続き下がっている。これは政府の調整予測と符合していると同時に、不動産市場が理性的回帰という調整段階に入りつつあることもはっきりと示している。しかし、現在の不動産市場には新たな問題も出現している。例えば、住民の1軒目の一般住宅購入需要が一定の影響を受け、しかも不動産価格は依然として住民の支払い能力をはるかに超えており、不動産価格が合理的な水準まで戻るにはまだ程遠い。
中国の多くの輸出企業にとって今年は生存の可否を決める試練の時期になるだろう。写真は義烏浪莎集団のカバードヤーン生産ライン (張建成撮影)
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