竜泉寺講堂
竜泉寺は北京市海淀区鳳凰嶺の山すそに建てられている。千年の歴史を持つ古刹で、かつては仏教、道教、地方宗教を一体化した文化的景勝地だったが、年月を経る間に幾度も破壊に遭い、徐々に衰退していった。しかし2005年になって再び信者に開放され、学誠法師を住職に招いた。
「1984年に北京に来た頃は、修行の場を求めて北京以外のところへ行こうとする居士(在家の信徒)が少なくありませんでした。その時私には、北京に多くの人が仏を学ぶ場と修行の地を作りたいという思いが生まれました……そして21年後、その願いはついに成就したのです」。学誠住職は、竜泉寺の復活と開放は国や社会、仏教、衆生にとって独特の意義と深遠な影響があると考えている。
学誠法師は1982年、16歳の時に、福建の禅宗寺院莆田広化寺で出家し、1989年には莆田広化寺の住職となった。当時中国の漢伝仏教寺院で最も若く、学歴が最も高い(修士)有名寺院の住職であった。それほど時を置かずして、莆田広化寺は当時中国仏教協会会長だった趙朴初居士から「全国三大模範叢林の1つ」(叢林はサンスクリット語Vindhyavanaの訳で、僧侶が集まり修道する場。禅宗寺院を指すことも多い)と称えられた。
2009年、竜泉寺は「教育を中心とする」という理念を掲げた。「仏教は信仰を根本とし、解脱を目的とし、教育を中心とし、文化を絆とする宗教です」と学誠法師は言う。「教授」のように僧徒に授業をするほかにも、学術界と仏教界との連携を極力促進し、広く専門家や学者を寺に招いて伝統文化について講演をしてもらっている。同時に、仏門を広く開放して四方からの客を受け入れ、伝統法要を行い、修行のため寺にやってくる居士信者を広く受け入れている。
また、竜泉寺のオフィシャルサイト上に「ネット仏学院」を開設し、動画や音声のコンテンツを設け、ネットにアクセスすれば授業を受けられるようになっている。サイトでは毎日コンテンツを掲載するが、記事の編集や掲載などについて話し合うのはネット上の遠隔会議だ。学誠法師は忙しさの合間を縫って自らブログに目を通し、読者のコメントに返信をし続けている。中、英、日3カ国語で運営されているこのサイトには、今までに170数カ国・地域のネットユーザーがアクセスした。
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