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黄岩島の主権は中国にある

呉士存 (中国南中国海研究院院長)

 

黄岩島(旧名「民主礁」)は北緯15度7分、東経117度51分の南中国海海域、海南島の東南方向に位置し、中国の中沙諸島で唯一水面に露出した島礁である。黄岩島から海南島まで北西に約900キロ、広州まで北に約1100キロ、フィリピンのマニラまでは東に約300キロ離れている。黄岩島はマラッカ海峡から台湾、バシー海峡に至る南中国海の重要航路上に位置する南中国海守護の要所であり、きわめて重要な戦略的地位を持っている。

一、黄岩島は中国固有の領土

中国の黄岩島に対する領有権には十分な歴史的・法的根拠がある。中国はこの島を最初に発見して黄岩島と命名し、歴代中国政府は黄岩島を領土としてきた上に、開発や利用、管理などの措置を講じ、主権を行使し、有効な管轄を行ってきた。

史料の記載によると、1279年、元代の著名な天文学者郭守敬が皇帝の命により「四海測験」を行った際、黄岩島を南中国海の測量地点にしたという。これは、中国が少なくとも元代にはすでに黄岩島を発見し利用していたことを示している。そしてこの頃、フィリピンの住民はまだ原始部落時代だった。

黄岩島とその周辺海域は漁業資源が豊富で、古来中国の伝統的漁場であり、中国の漁民は代々この海域で漁業生産活動に従事してきた。黄岩島は中国人が南中国海を航行する際に風よけや休息などができる場所でもあった。現存する『更路簿』と中国の古書には、中国漁民の黄岩島海域航路が完全な形で記載されている。元代以降、中国人はずっと黄岩島とその周辺海域で活動を続けており、長期にわたって黄岩島の開発と利用を進めてきた。この史実は中国歴代王朝の公文書、地方誌、正式な地図で裏付けられている。

1930年代中期、中国政府内政部、外交部及び教育部などの公的機関から担当者が派遣され、水陸地図審査委員会が設けられた。同委員会は南中国海諸島の132の島礁や砂州を査定し、黄岩島を中沙諸島の一部として中国の版図に入れた。1947年、中国政府内政部方域司は南中国海諸島の地名172件を査定して公表し、黄岩島は民主礁の名で中沙諸島の範囲に入れられた。1948年、中国が正式に印刷出版した『南海諸島位置図』では、黄岩島がはっきりと中国の南中国海の伝統的沿海領土線内に入っている。

新中国成立後、中華人民共和国政府は南中国海諸島主権に関する公告と声明で、黄岩島領有権は中国にあると指摘した。中国政府は黄岩島の領有権及び管轄権を長期的に行使し守り続けており、黄岩島は一貫して広東省と海南省の管轄下にあった。1980年代初め、中国政府は南中国海諸島の地名を全面調査し、1983年に中国地名委員会が発表した「中国南海諸島一部地名」では、黄岩島を標準名称、民主礁を副名称とした。1992年に公布された『中華人民共和国領海及び隣接区法』の「領土条項」は、黄岩島など島嶼は中国の領土であることを明確に規定し、黄岩島など島嶼が中国の領土であることの法的根拠に重ねて言及した。以上のような一連の事実は、黄岩島が中国固有の領土であり、中国は黄岩島に対し論争の余地のない主権を所有していることを十分に示すものである。歴代中国政府は様々な形で黄岩島を管轄し、黄岩島に対する主権を有効に行使し、強化してきたが、数世紀にわたっていかなる領土権争いも吹きかけられたことはなく、国際社会から広く承認されてもいた。

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