モデル転換は始まっている
今、経済発展モデルの転換はすでに内蒙古政府職員たちの共通認識になっている。「資源大省として、内蒙古が将来の持続可能な発展のために考えているのは、長年の資源・エネルギー産業への依存をどう克服するかということだ」。内蒙古発展改革委員会巡視員の魏暁明氏は言う。
魏暁明氏によると、中国のかつて資源に頼って繁栄した地域の中には、資源が枯渇して苦境に陥っているところもあるという。これは内蒙古にとって戒めとなる。内蒙古も同様にこのような問題を抱えているからだ。例えば、2011年の石炭工業の対内蒙古域内総生産比は12%に達しており、きわめて高い。石炭生産高の対工業比は4分の1近くで、工業利潤の半分近くを占める。しかしこうした単一的な産業構造には大きなリスクがあり、長くは続けられない。
魏暁明氏によると、内蒙古自治区政府はすでに計画を策定しており、経済が過度な資源依存の落とし穴に陥らないようにするために、まず資源型産業へのアップグレードを加速し推進しようとしているという。石炭について言うと、2011年の石炭生産量は10億トンあったが、一次原料としての直接輸送が6億1000万トンで、現地での二次原料化(より付加価値の高い化学原料化すること)は30%に満たない。今後5年で現地での二次原料化率を40%以上に上げ、さらに高い付加価値をもたらす必要がある。
内蒙古はさらに非資源型産業の発展にも力を注いでいる。「これは今後の発展における最重要事項で、そのポジションは資源型産業へのアップグレードに劣らない」と魏暁明氏は言う。
内蒙古自治区新聞弁公室の資料によると、内蒙古は今後5年で自治区全体の工業経済に対する非資源型産業の貢献度を50%以上にすることを目指し、戦略的新興産業の対工業増加値比を8%に上げ、経済発展支柱産業に育てる計画だ。
内蒙古はさらに第三次産業を育成して経済モデル転換の突破口とし、今後5年で現代サービス業の対域内総生産比を現在の約30%から40%に上げることを目指している。
内蒙古では、節水灌漑が重点的に推進されている農業技術である
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