■松島の賑わい震災前の9割に戻る
魯迅先生の足跡を更に追い、私は「日本三景」の一景である「松島」を訪ねた。俳聖と呼ばれる芭蕉がたたえた松島に、魯迅も足を運んだことがある。彼の「出了象牙之塔(象牙の塔を出て)・後記」の中で、「冬には松島で松の木と雪を眺めたことがあった」と記している。

松島湾遊覧の目玉「仁王島」。去年は津波をかぶり漁網等が絡みついたが、修復されて今は元の姿に戻った
松島は260余りの島があり、その島々すべてに名前が付けられている。地元の人たちは、これらの島々が津波に対して防波堤代わりとなり、被害を最小限にしてくれた、と話しているという。一見したところ、島々に津波をかぶった形跡はないが、地元の人たちが島に感謝をしながら元の姿を取り戻したのだろうと思った。
松島観光協会で見た英語と中国語による復興支援への謝辞
遊覧船の「仁王丸」で松島湾を一周すると、大小の島々の灰白色の岩の頭に黒松、赤松がのせてあるような風景が楽しめる。澄んだ空と青く輝いた海を眺める若き魯迅の心は、どういう感動を味わっていたのだろうか。
松島には外国人観光客はまだまだ稀であるが、春休みと相まって日本各地からの観光客が訪れ、震災前の9割ほどの賑わいに戻っているという。
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