「三炭経済」モデルが示唆するもの
中国グリーン・カーボンシンク・ファンドの副事務局長である蘇宗海氏は先ごろ『林業経済』誌上に発表した文章で、毛烏素バイオマス熱電生態プロジェクトに対して経済、社会、生態、炭素循環などの面で効果・利益分析を行い、「『三炭経済』(二酸化炭素吸収、二酸化炭素排出削減、二酸化炭素回収)産業で砂漠化を防止するモデルは典型的な循環経済モデルであるとともに林業カーボンシンク、低炭素経済、生態建設を結びつけたエコ経済発展の新モデルである」とした。蘇氏は、このモデルは中国の水分含有砂漠の緑化や、「一挙多得」的な持続可能な開発の実現、林業の気候変動対応、排出権獲得にとって重大な意義を持つと考えている。
紹介によると、同プロジェクトの現在までの累計投資は5億元に達し、すでに2万4000ヘクタールの土地の砂漠化を防止した。またバイオマス発電所設備容量は3万キロワットで、2008年11月の生産開始以来現在までの発電量は2億4千万キロワットを超えている。さらに、排煙中のCO2回収によるスピルリナ生産プロジェクト(年間生産高600トン)を投資建設し、砂漠化防止のための植樹によるCO2吸収、発電所でのCO2排出削減、スピルリナ生産によるCO2回収という産業チェーンを実現した。
毛烏素プロジェクトは、産業による人類環境改善を探求し、人類のために健康食品を提供するモデル的プロジェクトであると考えられている。砂漠の資源化価値を示し、人類の生存環境と人類の健康とを見事に結びつけ、循環経済産業チェーンを通じて持続可能な開発を現実のものとしたのである。
国連が開催した今回のシンポジウムで、国連砂漠化防止条約(UNCCD)事務局長であるルック・ニャカジャ氏は同プロジェクトを高く評価し、「毛烏素熱電公司の成功例が関連アフリカ諸国で普及し、世界で最も優れた実践例となり、世界の砂漠化防止に持続可能な道を提供することを望む」とした。
「北京週報日本語版」2012年4月10日 |