本誌記者 呂 翎
毎年3月15日は「世界消費者権利デー」である。中国消費者協会は今年の「3・15」のテーマを「消費と安全」に決めた。今、国民生活と最も重要な関わりを持つ商品・サービスの面で、消費者の生命や財産の安全にかかわる事件が頻発している。消費分野の安全問題が明らかになるたびに、人々の消費安全性に対する懸念も高まりつつある。消費安全性の重視は消費者の要望や要求に合致しているとともに、消費者の生活クオリティ向上にも役立つ。中国消費者協会が今年の活動テーマとして「消費安全性」にフォーカスした意図もそこにある。
2012年3月19日、鄭州カルフール花園店が営業停止となった。写真はスーパーが入口に貼り出した通知を読む市民
安全は最も基本的かつ最も厳格なボトムラインである。「消費者権利保護法」は消費者の「9つの権利」を保障しているが、安全を求める権利はそのうちの筆頭である。安全という基盤がなければ、知る権利などその他の権利は意味を成さなくなってしまう。2011年、中国の消費市場では消費苦情案件が増え、信頼性の危機が頻発し、多くの有名ブランドが「品質事件」の渦中に巻き込まれた。全国各級消費者協会組織の統計によると、昨年受理した消費者からの苦情は計60万7263件であった。この数字の背後にあるのは、権利と利益とのせめぎ合いであり、消費公平原則に対する人々の主張だ。
理性的かつ成熟した消費市場では、消費者が電器や宝石、植物油、野菜・果物などについてどれも専門家並みに詳しくなる必要はない。黙って消費をしていれば、市場が公民の合法的権利を守ってくれる。しかし、消費者が知識武装しなければならないような市場では、商品を購入する際の取引には危険がつきまとう。
消費安全性が見過ごせない事態になっているという事実と対応しているのが、昨年下がる一方だった国内消費者信頼感指数だ。その結果、海外商品のインターネット代理購入と海外旅行がさらに増え、中国人の消費能力は世界のメディアから「世界経済の救済パワー」と称えられるほどであった。2012年の旧正月連休中、中国人の海外での消費は57億ドルに達し、再び新記録を塗り替えた。
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