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楊赤氏「京劇芸術の文化伝承を重要視すべき」

 本誌記者 曾文卉

京劇芸術は中国の国粋である。2010年、京劇はユネスコの「人類の無形文化遺産の代表一覧表」に登録された。京劇芸術の発展状況と海外展開について、『北京週報』は全国政協委員で大連京劇院院長の楊赤氏に単独インタビューした。

楊赤氏

――現在、京劇の発展状況はいかがですか?

改革開放初期、京劇は外来文化に押されて打撃を被ったが、近年は若干盛り返している。劇場の観客数は次第に増加し、京劇ファン以外にも、京劇を見たことのない人が次第に劇場を訪れるようになってきた。もちろん、人々の文化生活の多元化、インターネットや映画、テレビを含む選択の多様化により、京劇は現在も大きな困難に直面している。

京劇が今しっかり取り組まなければならないのは、どのようにして文化の伝承と発展において地位を得るか、民族芸術の伝承と優秀な民族文化の発揚において一定の役割を発揮するか、ということだと思う。

――京劇はどのように発展していくべきだと思いますか?

まずしっかりと継承すること。京劇というと、革新が必要とか時代に追いつくべきだなどと言われるが、これは京劇に対する一面的な理解だと思う。京劇芸術はファーストフード文化ではない。観客が劇場でゆったりとリラックスした状態で鑑賞して初めて、その芸術的魅力を体感できる。

人々の生活のテンポが速まり、精神的にそわそわして落ち着かず心を静めることができない現在のような環境は、京劇の発展にとって非常によくない。

このような環境においては、京劇に携わる者は寂しさに耐えられなければならないと思う。京劇に携わる者は一生の心血を注いで初めて京劇芸術を発展させ伝承することができる。さもなくば、10年後、20年後に舞台で目にする京劇は単なる京劇という演目形態にすぎず、その本当の芸術的魅力はもう二度と存在しなくなってしまう。

今では、多くの優秀な人材が京劇界を離れてしまった。このことについて誰かを責める権利は私にはない。誰にでも自分の生活を選ぶ権利がある。しかし京劇という事業にとっては非常に惜しいことだ。社会の注目度が下がり、業界待遇が低いために、現在では精力を注いで骨身を惜しまず一心に研鑽しようとする京劇従事者がいなくなってしまった。

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