本誌記者 曾文卉
3月7日、取材を受ける全国政協委員の楊佳氏
15歳で大学に進学し、19歳で卒業後母校に留まって教師となり、24歳で中国科学院の最年少講師となるも、29歳の時に失明。全国政協委員の楊佳氏は苦境の中で多くの困難を克服し、教壇に復帰して博士課程指導教官となり科学研究プロジェクトを組織しただけでなく、ハーバード大学創立300年以来初めてMPA学位を取得した視覚障害を持つ外国人学生にもなった。
3月7日夜の共同取材で、楊佳委員は『北京週報』記者の身体障害者の科学研究従事に関する質問に対し、身体障害者の平等な社会参画において、科学技術分野はその先駆けとなるべきだと答えた。楊氏は、「今世界では、『身障者自身に関わることは身障者自身が積極的に参画する』のが趨勢になっている。これは世界の身体障害者事業の合言葉だ」と語った。
楊佳氏によると、「科学技術による身体障害者支援」分野は今盛んに発展しており、多くの身体障害者が非常に興味を持ち、積極的に参画している。例えば視覚障害者のための携帯電話では、多くの視覚障害者が現在発売されているものに不満を感じ、自分たちで研究開発した。現在中国で使用されている視覚障害者向け音声ソフトには陽光と永徳の2つがあるが、どちらも身体障害者が研究開発に積極的に参画している。「身体障害者と科学技術は密接に結びついている」と楊佳氏は語る。
楊佳氏は国連の障害者権利委員会副主席であるだけでなく、ハーバード大学ケネディ行政大学院のジョセフ・ナイ学院長から「中国のソフトパワー」と称えられている。2011年5月14日、楊佳氏は中国大陸出身の中国人で初めてハーバード大学ケネディ行政大学院の「同窓功績賞」(AlmuniAchievementAward)を受賞した。香港行政長官の曾蔭権を除き、これまでこの賞を受賞したのはすべて外国人である。楊佳氏は全国政協委員で唯一の視覚障害を持つ女性委員であり、中国の高等教育機関で初の視覚障害を持つ教授である。2008年、楊氏は全国政協委員となり、両会に初参加した。中国国際広播電台(中国国際放送局)は「楊佳日記」(YANGJIA JOURNAL)という番組を2週間にわたって放送し、全国政協委員による全編英語の両会体験レポートの先鞭をつけた。
「北京週報日本語版」2012年3月10日 |