馬蔚華氏は、小型・超小型企業の資金調達難は客観的事実であり、国際的難題でもあると述べた。小型・超小型企業は大企業とは違い、上級への報告書、中介機関評価、抵当・担保などが整っているわけではないため、貸付リスクが大きく、コストも高い。銀行も商業機関である。大企業向けの貸付審査方法では、小型・超小型企業は基準を満たすことができない。
北京会議センターで記者の取材を受ける馬蔚華委員 (石剛撮影)
また、馬蔚華氏によれば、小型・超小型企業向けに融資をしようと思っても、すべての銀行ができるわけではないという。企業ごとに調査をしなければならず、コストが高くつくため、金利を高くしてもすべてのリスクをカバーすることができないのだ。比較的成功したモデルと言えるのは、3年前に蘇州銀行業監督管理委員会が設立した小企業貸付センターで、ここではリスク法則に基づいて小型・超小型企業に対し一定基準を設け、採点制を取っている。
馬蔚華氏によると、銀行が小型・超小型企業を支援すべきだということはすでにほぼ共通認識になっているものの、現在のところ中国の社会全体の資金調達ルートの80%は銀行融資が占めているという。馬氏はこの比率は高すぎると考えている。米国では銀行融資による資金調達は社会全体の30%未満で、ほかにも様々な資金調達ルートがある。中国は小型・超小型企業への支援を強化するために、小型・超小型企業の資金調達ルートを増やし、社会全体の機能を発揮するべきだ。それには民間金融を徐々に規範化し正規のものとして堂々と営業ができるようにすることも含まれる。馬氏によると、小型・超小型企業にとって、緊急に資金が必要になった時、銀行からの借り入れは手続きが多すぎる。民間金融なら互いによく知っていることが多く、金利が決まればすぐに資金調達ができ、差し迫った資金の必要を満たすことができる。
「北京週報日本語版」2012年3月9日 |