■時間を大切にする日本、臨機応変の中国
そういう、手帳を大事にするという日本人のやり方から、生まれた時から死ぬまで、時間を大切にし、何事でも時間をちゃんと守ってするという精神が見られると思う。日本では、遅刻したり、約束を守らなかったりするのは、タブーと言っても良い。毎日の何時に何をやるかも殆どきちんと決まっているようだ。仕事にせよ、プライベートにせよ、即時で決めることは少ない。大きいところを見れば、日本の法案も工事も、何回も検討されてから決定され、実行に移るまでは大変時間かかる。
それに対して中国人の日常は、即時なことに溢れている。忙しい時にお客さんが来たり、仕事に没頭していると、上司から別のことを命じられると、すぐに仕事を中止したりすることが多く見られる。こういう偶発性の強い特徴の良いところとしては、「臨機応変」という点が挙げられると思う。例えば、政府側で何かをやると決めるとすぐ、工事が始まる。プライベートの面でも、即時で決めることが多い。そういう中国人向けに、JMAMは中国語版手帳を用意しているそうだ。一度使ってみるときっとハマる、と私も中国人の友人や親戚に、手帳の面白さと実用性をアピールしている。
東急ハンズ心斎橋店の藤原弘毅氏によると、手帳は既に備忘録的なものから、目標を設定する場に変わってきたそうだ。日本では今、消費税アップなど増税に対する不安を抱えながらも、人々は手帳コーナーで「マイ手帳」を選んでいる。スマートフォン人気の後押しもあり、手帳とスマートフォンという両方でスケジュール管理をしている人も多く現れてきたようだ。手帳の値段は確かにやや高い。その中で手頃なものを手に入れ、いっぱい書き込もうとしている人は、きっと新しい年も頑張りたいと思っているはずだ。そういった期待と意欲に溢れている人々の手によって、日本は支えられているのではないかと思っている。(写真はすべて筆者写す)
「北京週報日本語版」2012年2月8日
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