●銀細工師のお嫁さんは外国人
青岩古鎮では、空気中に弥漫するのは伝統的な軽食の甘い香り、寺や廟から漂うビャクダンの淡い香り、酒かめの古酒の清い香り、それらが混然となって古鎮特有の香りと味を醸し出しています。青岩古鎮は味はと言えば、心静めて少しずつ味わえば、その独特さが体得できるでしょう。
古色蒼然とした古鎮に魅せられて全国各地から観光客が訪れる
ジェニーさんは米国人。3年前に友人の紹介で青岩を訪れたそうです。誰もが想像もしなかったの、3年後にこの美しくて、誠実で率直な米国人女性が農歴の「小年」(12月23日あるいは24日)の日に、鎮の銀細工師と結婚して、本当の中国の娘さんになったことでした。どんな縁で甘く幸せな国際結婚になったのでしょう。
3年前に初めて古鎮に来たジェニーさんはここの質朴な生活に引きつけられました。彼女が思いもしなかったのは、中国のような急速に発展する国にあって、古鎮の人たちのヒューマンや生活の息吹がこのように純朴で静寂だったことで、彼女は多くの国を旅していますが、どこにもなかった感覚だと言います。このような偶然の旅は、彼女にとって人生初めての、また唯一の奇遇となりました。
「その日、通りを歩きながら写真を撮っていると突然、銀飾りを打つ中国の青年がわたしのレンズのなかに入ってきたのです。当時、この人がわたしの今の夫になるなどと思ってもいませんでしたし、ただ彼がつくった銀飾りの技法が非常に熟練していて、非常に素晴らしいなと感じただけでした」。ジェニーさんによると、その日、レンズに入ったこの青年のことは気にならず、夜になって写真を整理していて、なかなかハンサムなのに気づいても、深くは考えなかったそうです。
翌日、彼女はいつものように古鎮に行って、よくは知らないけれども非常に興味を呼び起こすものを写真に収めていました。「やはり意識もせずにその銀飾りの店に来ると、あの若い細工師もやはり無表情で飾りを打っていて、それが非常にきれいだったので、米国に持ち帰って友人に送ろうといくつか買うことにしました。最終的に5個選び、全部で100元でした」。彼女がこの青年にある種の思いを覚え始めたとき、こうした出来事がありました。
「外国の友人、お金多すぎるよ。店を出て50メートルほど歩いたとき、細工師がわたしの後ろで外国人と叫んでいるのを耳にしたので、振り返って何ですかと聞くと、彼は100元多すぎると言うのです」。彼女が持っていた人民元は新札で、支払ったときに2枚がくっついていたのに気がつかなかったのです。当時の情景は大変感動的で、初めて中国に来て、小さな鎮に住む人の真心や誠意を彼から本当に感じ取りました、と彼女は話します。
「わたしはしきりに感謝し、彼はしきりに何でもないと言い、それ以来、わたしは連日のように彼の店のなかを歩き回り、彼が話す鎮の歴史を聞いたりして、次第に仲のよい友人になっていきました」。彼女は鎮に1週間滞在し、去る前に電話番号をたずね、彼は非常に美しい銀飾りを1セット贈ってくれたそうです。
ジェニーさんは帰国後、遠く中国にいる彼とずっと連絡を取り合っていました。「恐らくわたしたち米国人特有の品性からか、連絡を取り合って2年近くたって、わたしは中国が好きです、わたしはあなたが好きです、中国のお嫁さんになりたいと思っています、と直接彼に話したのです。当時、なかなか返事がないので、考えが唐突で拒絶されたのではないかと考えたりしました。彼は電話口で非常に興奮した様子で、中国に来なさい、結婚しようと言ってくれたのです」。こうして、その電話から1年後、彼女は米国を離れて中国に、そして3年離れていた鎮を訪れ、ロマン的で国際的な結婚生活が始まりました。あるいは古鎮と古鎮の人の魅力はここにあるのかも知れません。
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