●自動車業界の強い不満
「リスト」は完成車の製造を奨励条目から削除した。これに内外の自動車メーカーは強い不満を示した。
東風汽車や奇瑞汽車など中国メーカーは現在、ルノーやインフィニティの日産自動車、スバルなどと合弁プロジェクトの協議を進めている。完成車製造を奨励条目から除外したことで、こうしたプロジェクトがダメージを受ける恐れがある。東風汽車の関係者は「2件のプロジェクトがどれほどのダメージを受けるか、今の段階でははっきりしない」、奇瑞汽車のマネージャー助手兼スポークスマンの金弋波氏は「足元の合弁プロジェクトについては、何とも言えない」。いずれもプロジェクトの将来に懸念を示した。
自動車業界に詳しい賈新光アナリストは「『リスト』は完成車の製造を奨励条目から外し、許可条目に移しており、調整はあったものの、明確に禁じているわけではない。そのため、中国にすでに参入した合弁企業が影響を受けることなどはなく、心配の必要はない」と指摘する。
こうした調整について、商務部外資司の蘇晶副司長は次のように説明している。「30年余りにわたる改革開放と外資導入を通じて、中国の自動車産業は目覚しい発展を遂げた。とくに完成車の製造では、10年の国内生産・販売台数は1800万台を超え、2年連続して世界1位となり、国内のニーズを十分に満たすことができ、また一部で輸出も実現した。今回の『リスト』修正に当たっては、自動車産業政策で相応の調整を行った。その原則は、奨励の重点を『完成車製造』から『重要部品の製造・開発』にシフトすること。そのため、完成車製造は奨励から許可条目となった」
発展・改革委員会マクロ経済研究院対外経済研究所国際経済協力室の張建平主任は「中国の完成車製造能力は非常に向上し、合弁であれ、単独出資企業であれ、能力はいずれも大幅にアップしている。奨励条目から削除したのも、国内企業により良い発展を求めてのことだ」と強調。
奨励条目にエコカー用重要部品の条目が盛り込まれたことについて、張主任によれば、今後、中国自動車市場に参入する外資は、エコカーからの参入も可能となる。
※付属文書:「外国企業投資産業指導リスト」新規追加奨励条目
【高度製造業】紡績や化学工業、機械製造分野などの新製品、新技術。廃家電・電子製品や機械・電気設備、電池の回収・処理
【戦略的新興産業】エコカーの重要部品、IPv6に基づく次世代インターネットシステム設備
【現代サービス業】自動車充電スタンド、ベンチャー投資企業、知的財産権サービス、海上原油汚染処理技術サービス、職業技能訓練など。外資による医療機関やファイナンスリースリース企業などは規制から許可制となり、新エネルギー発電設備条目での持ち株比率は取り消された。
【非通常天然ガス】オイルシェールやオイルサンド、重油、超重油、シェールオイル、海底天然ガス水化物など非通常天然ガス資源の探査・開発(合弁、協力に限る)も奨励条目に盛り込まれた。
「北京週報日本語版」2012年1月29日
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