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実体経済への貢献求められる中国の金融業

 

「金融業の実体経済貢献」は自国経済発展にも必要

中国は重工業化と都市化が急激に進む段階にあるため、高成長・高投資によりややもすれば企業の拡張に資本金が追いつかない状況になり、企業の資産負債率が高くなりすぎ、財務負担が重くなり、融資・投資能力が失われるという問題が生じている。

また、2011年には民間経済が発達した浙江省温州などで大規模な資金ショートが起き、金融業の中小企業支援に対する注目が高まった。

いかにして効果的な企業資本補充ルートを作り上げるか。これは中国の金融業が現在直面している重大な課題である。

現在の資本市場の厳しい審査許可制度では、企業が株式市場で資本金を調達するのは効率が悪く、集められる資金にも限りがある。もう1つのルートとして、株式投資ファンドや産業投資ファンド、保険資金直接投資、資産投資信託など株式市場以外の直接投資市場で効率よく大量に企業資本金を補充することもできるが、極めて市場化した投資であるため中国ではまだ完全に整備されておらず、実行することができない。

現状では、銀行がやはり最も信頼されている金融機関である。しかし社会資金は銀行体系の中で主に預金の形で存在しており、企業への直接融資もまた銀行体系にその多くを依存している。中国人民銀行のデータによると、第1回全国金融工作会議から第3回全国金融工作会議までの間に、銀行が直接または間接的方法で企業に補充した資本金は3兆元余りで、同期間内の国有企業新規増資の25%を占めた。

したがって、銀行が主導的に企業融資を行っている国では、実感があるかないかに関わらず、どの銀行も何らかの形で実体経済に資金を補充する使命を担っている。

「『金融、特に銀行業は実体経済に貢献するべき』という要求を堅持することは、西側先進国で生じた危機からの教訓であると同時に、自国経済発展にとっても必要なことだ」と中国建設銀行のベテランエコノミストの趙慶明氏は言う。

中国の各大手銀行はすでに金融の実体経済支援に向けて準備をしている。中国銀行業監督管理委員会(銀監会)の尚福林主席は、「銀行業の発展は実体経済の発展と切り離せず、実体経済も金融という『血液』の支えが欠かせない。次の一歩としては、銀監会は銀行業機関に対し、貸付構造をさらに最適化し、サービスクオリティを高め、貸付金が秩序よく実体経済へ確実に流れるようにし、経済構造の戦略的調整を促進するよう要求していく」と語った。

中国工商銀行の楊凱生行長は、「いかにして国民経済発展の手薄な分野への支援と貢献に力を入れるか。中国工商銀行は次なる具体業務としてこの点を真剣に検討し強化していく」としている。

 

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