ある若い「義士」が「観光庁の大野晋です」と名乗った。私は思わずぽかんとしてしまったが、すぐに「観光庁長官はどなたですか」と聞いた。大野晋「義士」はとなりの50歳ぐらいの中年「義士」を指しながら、「彼が溝畑宏長官です」と答えた。なんと、この「義士」が溝畑観光庁長官だったとは!私は大いに驚いた。彼は兜をかぶり、わらじを履いて、腰に長い刀を差し、小太鼓を提げていた。溝畑長官の羽織には「播州赤穂浪士大石内蔵助良雄」と書いてあった。なんと、溝畑長官は義士の首領に扮装して祭を盛り上げていたのである。溝畑長官は非常に活発で、観光客と記念写真を撮ったり、人々にサインしたり、立ち回りを披露したりして、観光客の間に大きな笑いを起こしていた。
観光客と記念写真を撮る各国からの「義士」(劉幸宇撮影)
大野晋「義士」によると、溝畑長官は2010年1月に就任してから、よく地方へ行って伝統行事などの観光振興イベントに参加し、その数はすでに150回余りになっており、毎回観光庁の職員を率いてパフォーマンスに参加するという。溝畑長官は「観光庁長官は地方で現地社会に溶け込み、現地の観光事業発展に貢献し、現地の市民と観光客が観光の楽しみを享受できるように努力しなければならない」と語った。
私は思わず深く感動した。経済大国の観光産業の最高行政長官が自ら先頭に立ち、現地社会に溶け込み、民衆と一緒に伝統行事を祝う。これは日本の観光業が発展しており、世界一流のサービスを持つ原因の1つであろう。
「北京週報日本語版」2012年1月19日 |