提案
高培勇所長によると、構造的減税で最も重要なのは目標の二重性であるという。1つは減税による企業と国民の税負担軽減、もう1つは増税と減税を組み合わせた構造的調整による税収構造全体の最適化だ。中国の現行税制では、流通税に入れられる税種目は主に増値税、消費税、営業税の3つである。そのうち増値税の割合が最も大きく、2010年の増値税収入は税収全体の39.5%、消費税と営業税はそれぞれ9.9%、14.4%であった。
高培勇所長によると、これらの税種目は一律に扱うのではなく重きの置き方に違いを設けるべきで、目下の経済情勢と積極的財政政策実施の必要性に応じて、財政が耐えられる範囲内で出来る限り構造的減税効果を高めることが重要だという。
今中国が行っている営業税から増値税課税への切替も大規模な減税である。営業税は通常、売上高を課税の「分母」とするが、増値税は控除後の増値(付加価値)部分を「分母」として課税する。営業税を増値税課税に切り替えることで納税者の税負担が軽減され、減税効果が上がるだろう。
興業銀行チーフ・エコノミストの魯政委氏は、「現在、中国の構造的減税はまだ一部に止まっている。単純な税率引き下げが本当の減税につながるとは限らない場合もある」と見ている。「新たな控除項目や課税基準計算方法の導入など、関連規則の見直しが必要だ」。
背景資料
2011年に実施された主な構造的減税政策
9月1日から、個人所得税の課税基準が毎月2000元から3500元に引き上げられた。
10月12日、国務院常務会議は「増値税・営業税課税基準引き上げ、薄利小型企業の企業所得税半減策の2015年末まで延長・範囲拡大」などを含む小型・超小型企業支援のための金融財税政策措置を確定・施行した。
「北京週報日本語版」2012年1月9日 |