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構造的減税は、かつて1990年代後期に積極的財政政策の一環として危機対応策に取り入れられたことがある。2008年の国際金融危機により構造的減税の危機対応における役割が高まり、中国は2008年末から一貫して構造的減税政策を行っている。2012年も積極的財政政策を継続し、「減税」が積極的財政政策の中心になると見られるが、これには強力な中央財政の支えが必要だ。中国社会科学院財政・貿易経済研究所の高培勇所長によると、財政部が構造的減税継続を決定したのは次の3つの面での判断によるという。
(1)外部経済の不確定性が中国経済にまで波及したとしても、全体としては2008年末や2009年初めより悪くなることはない。そのため、マクロ調整の目下の主要任務は事前調整と微調整であり、割合余裕を持って拡張的調整を行うことができる。
(2)主に政府投資規模の拡大に依存した「粗放型」の危機対応策を実施してきた結果、構造調整が急務になっている。拡張的調整は安定成長と構造調整のバランスを取りながら行わなければならない。
(3)2011年1~11月の全国財政収入状況から見て、2011年の全国財政収入が2010年より1兆元多くなることは間違いない。財政拡張実施要素をすべて考慮に入れても、一定規模減税は可能である。
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