ロードマップ
輸入関税引き下げは構造的減税の重要項目である。今回の措置では、エネルギー資源製品や先進設備、キーデバイスなどの輸入増を図るため、これらを含む一部輸入品の関税を引き下げた。
構造的減税措置のもう1つの柱は、小型・超小型企業の負担軽減だ。謝旭人部長は、「2012年も増値税・営業税課税基準の引き上げなど小型・超小型企業の税負担軽減策を継続する。小型・超小型企業に対する所得税優遇政策を実施し、年間売上高が6万元未満の小型・超小型企業に対しては、50%減額したものを課税対象額とし、それに対し20%の企業所得税を課税する」とした。
謝旭人部長はさらに、「その他税種目の減免政策も実施を徹底し、企業への非合理で非合法な費用徴収項目をなくし、企業・社会の負担を軽減する」と強調した。
中国の構造的減税のもう1つのアプローチは税制改革である。まず進められているのは営業税から増値税(付加価値税)課税への切り替えの試験実施で、2012年1月1日から、上海市交通運輸業と一部の現代サービス業で試行が始まっている。この改革は二重課税をなくし企業の税負担を軽減するのに役立つものだ。
謝旭人部長は、「試行範囲を次第に拡大し、特に現代サービス業の発展を促進していく」とした。
また、物流企業に対する営業税差額納税試行範囲の拡大や倉庫用地確保を支援する都市土地使用税政策の実施、野菜の卸売・小売段階での増値税徴収免除も行う。さらに、資源税や消費税などの税制改革もいっそう進めていく。
減税の全体規模については、今のところまだ推定が難しい。しかし中国国際金融有限公司はレポートで、「上海で試行されている増値税範囲拡大改革は2012年上半期に全国へと広げられる可能性があり、これだけで関連業界の税負担がおよそ700億元前後軽減される」と予測する。
税負担軽減は間違いなく企業や国民のメリットとなるが、財政収入は影響を受けないのだろうか?これについて財政部財政科学研究所の劉尚希副所長は次のように述べている。「構造的減税のポイントは『構造的』であることで、全体的な減税余地は比較的小さい。資源税や不動産税、環境保護税といった直接税項目に対しては増税が見込まれるため、中国の2012年財政収入の大幅減を心配する必要はない」。
|