◆焦点2　マクロ経済の動向

専門家は、「今後の政策決定は、来年の経済安定成長の確保に重点を置き、経済発展に基づき政策面の微調整を行う」と予想している。またインフレ予想の管理を継続し、不動産抑制策を継続し、不動産価格が合理的価格まで低下するよう促す。

巴副所長は、「下方調整されたばかりの預金準備率の政策的含意は、実質的な含意を大きく上回っている。全面的な緩和への転換点を意味するものではないが、金融市場流動性の転換点を意味する。成長・インフレ・構造の政策決定バランス関係において、成長はインフレに代わり、より高い政策的比重を占めた」と指摘した。周副所長も、「マクロ政策全体の基調は、構造調整、成長維持への目標転換である」と述べた。

周副所長は、「2012年は財政政策に注目するべきだ。来年の財政支出は今年を上回り、積極的な財政政策がとられる」と続けた。

巴副所長もまた、「今年の財政支出の増加幅は1兆元（約12兆円）を超え、来年はより積極的になるだろう。この一部の資金が、積極財政政策の基礎をなす」と語った。

巴副所長は、「間もなく開催される経済工作会議は、国民生活と消費刺激を巡る投資、来年の3種の政策決定バランス、輸出成長の鈍化について議論されるだろう。危機に対応し、成長を促すためには、投資が必要となってくる。来年の投資は構造面の改善が推進され、インフラ投資以外の投資増の見込みは薄い」と指摘した。

来年の外需の減少、輸出のGDPへの貢献度の低下は必至だ。市場は普遍的に、「内需拡大と経済成長の維持には、政策的な余地が残されており、財政政策面では減税が来年の焦点となる」としている。巴副所長と周副所長は、来年より大幅な減税が実施されると見ている。

巴副所長は、「来年の財政政策は、減税の実施に注目が集まる。現在の減税は100億元級に達しているが、消費刺激のためには、さらに大胆な減税が必要となる」と指摘した。