今後が鍵
2011年の年初から、中国ではWTO加盟10周年に関する祝賀イベントやシンポジウムが数多く行われている。こうした記念活動について、中国人寿資産管理公司の繆建民董事長は、「重要なのは振り返って業績を総括することではなく、今後どう発展していくかを考えることだ」と言う。
繆氏によると、WTO加盟の際、中国はWTO規則に合致しないすべての法規・法律に対し大がかりな改正と整理を行ったが、10年たった今、実際には完全に実行されていない政策も一部あるという。また、今後の発展の中で、中国は特にリスク防止とさらなる開放にしっかり取り組まなければならない。WTO加盟交渉中の1997年と1998年に金融危機を経験し、WTO加盟後は2008年の世界金融危機と、欧州信用不安を経験した中国は、金融危機から教訓を汲み取り、システム的なリスクのボトムラインを守り、さらなる開放へと向かうべきである。
張燕生氏は、「今後中国はドーハ・ラウンド、国際貿易、国際金融、国際通貨体系の改革にさらに積極的に参画し、世界により多くの公共財を提供しなければならない。しかも世界の価格決定、規則決定、責任分担の3つの重要分野で、決定的な影響を発揮するべきだ」と指摘する。
張氏はさらに次のように述べている。「中国の『十二五』(第12次五カ年計画)は、輸出・外資主体から、輸入と輸出、外資受入と対外投資をともに重視する新局面へと対外開放を転換することを打ち出している。中国の今後の対外貿易は均衡発展戦略へと転換し、輸出を拡大する一方で国際競争、国際交換、国際役割分担に積極的に参画すると同時に、世界にエンド消費とエンド市場を提供する国になっていかなければならない。10年前と比べ、中国経済はますますその複雑性と不確定性を増している。2016年に中国が完全な市場経済地位を獲得すれば、外国企業はもうこれまでのように気軽に中国製品への反ダンピング訴訟を行えなくなる。そして2016年にはおそらく中国への外資企業投資と中国の対外投資が逆転するだろう」。
今後はどういう路線を取るのか?確かなのは、中国が今後も開放拡大路線を変えないということだ。11月21日、商務部は中国WTO加盟10周年関連業務とイベントスケジュールの記者発表を行い、商務部WTO司の鄂徳峰副司長は、「商務部は発展改革委員会と共同で新時代の対外開放戦略に関する指導的文書を作成中だ」との説明を行った。
商務部の兪建華部長補佐は、「中国は一貫して『確固たる対外開放拡大を続けて初めて中国経済の持続可能な発展の実現に役立つ』と考えている」との意を示した。「中国のWTO加盟とその後の10年は中国の対外開放のゴールではなく、新たなスタートなのだ」。
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