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多様化する庶民の文化生活ニーズ

 

何さん(元翻訳者)「芝居を鑑賞し、新聞を読み、国際・国内問題を討論」

70歳を超える元翻訳者の何さんの生活はとても規則正しい。上海出身の何さんは毎朝、上海文化チャンネルで上海の滬劇や越劇を鑑賞する。「有名な役者はみんな70~80歳になるが、小さな頃から大好きな彼らが今でも演じ続けているのがとてもうれしい」。午後は、老幹部活動ステーションで新聞を読み、仲間と国内問題や国際問題について討論し、夜は北京テレビで抗米援朝戦争や抗日戦争、解放戦争のドラマを見る。週末は、引退したベテランの役者たちの無料公演を鑑賞しに北海公園へ行く。

国内・国際ニュースに関心を持っている何さんは、文化産業の発展について持論を披露してくれた。「映画監督や映画関係者には前向きで向上心のある作品を作ってほしい。興行収入や国際映画祭で受賞することだけを考えるのではなく、各階層の人民生活を反映させた映画を撮ってほしい。それから、今は映画チケットが高すぎて、一般人の経済力では受け入れられない。国はもっと資金を投じて文化事業の発展を推進するべきだ」。

喬振祺さん(記者)「政治学・社会学関連書籍をよく読む」

喬振祺さんは政治関連雑誌で取材や記事編集の仕事をしている。普段の文化生活は読書がメインだ。「個人的には、改革に関するもの、心の成長や人生経歴についての書籍など、政治学や社会学関連書籍をよく読んでいる。エッセイらしくないけれどエッセイとか、小説らしくないけれど小説というものがとても好き」。具体的には、柳紅の『八〇年代:中国経済学者の栄光と夢』、辛亥革命を記念した如馬勇の『1911年中国大革命』、張鳴の『辛亥、揺れ動く中国』などを挙げ、単純な娯楽のための本を読むことは少ないという。

最近市場に氾濫している「ファーストフード」的なベストセラーについては、「どうやったら金持ちになれるとか、人としてどう生きるかなんていう類のベストセラーは読まない」と言う。「一部のベストセラーが売れるのは、読者が吸収したいものを最も日常的な言葉で手っ取り早く提供しているから。でも、書籍は教育的意義があるべきだし、周囲の人にプラスの影響をもたらすものであるべき」というのが喬さんの考えだ。

また、文化関連製品の提供者でもある喬さんは、「メディアには、物事を見通し見守るという仕事上の規則がある。メディアは大衆に奉仕するべきだ」と言う。また喬さんは、今メディアで展開中の「走基層、転作風、改文風」(末端に行き、やり方を変え、記事執筆の態度を改める)キャンペーンと結び付け、「現在一部のメディアには、電話やメールだけで取材し、現場に行くこともせず、末端まで下りて行かないという現象が見られる。だからこそ中央がこういう要求を出したのだと思う」と語る。「地道に取材をすれば記者は必ずいいものが書ける。記事というのは『足で書く』ものだ。現場に足を運んで取材すればするほど、深みのある文章が書ける。第一線の記者なら、このキャンペーンを口先だけのものにしてはならない。自分の取材をしっかりとやり、いい記事を書くことが、最良の『走基層、転作風、改文風』につながる」。

「北京週報日本語版」2011年12月5日

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