「北京日本舞踊の会」を開催
今回の公演は「北京日本舞踊の会」組織委員会が主催し、駐中国日本大使館と北京日本人会が後援したものである。「公演に向けて共に練習する中で両国の学生たちが相互理解を深め、中国の人々に日本の伝統文化を体験してもらうことが目的だ」と藤間氏は言う。
「さくらさくら」を披露する中国人学生たち
公演では日本舞踊の群舞、創作舞踊、歌舞伎舞踊、能取り物などの作品が披露された。最も注目されていたのは藤間氏が演じる創作舞踊「曙光」である。今年3月に日本では大地震で多くの人命や財産が失われ、人々の心に癒しがたい深い傷を残した。その傷と向きあい、再生するための一筋の光明を探すという想いで、藤間氏はこの作品を創作した。
群舞「さくらさくら」では、桜の花のごとくかわいい中国人少女たちが風に舞い上がる花弁のように舞い踊りながら、しなやかな舞姿で子どもの頃の様々な遊びの情景を再現した。「着付けも着物をたたむことも皆彼女たちが自分でやっている」と藤間氏は語った。
「新・船弁慶」を披露する藤間万恵氏(左)と中日両国の学生たち
また、歌舞伎舞踊「英執着獅子」では、絢爛な衣装に身を包んだ北京語言大学日本語学科の雷国悦さんが、扱いが難しい数々の小道具を操り、たった数カ月でこの舞台に立ったとは思えないほどの美しい日本舞踊を披露した。
藤間氏に師事して日本舞踊を学ぶことについて、雷さんは次のように言う。「今年の4月、藤間先生と出会って、日本の伝統芸能である日本舞踊を学び始めた。日本舞踊の曲はリズムを取るのがすごく難しく、曲が古いので、現代の若者である私たちにとっては、聞いて理解できない部分もあった。でも藤間先生はいつも親切に教えてくださり、藤間先生の仕事の熱心さに深い感銘を受けた私は、何度も何度も先生に聞いたり、曲を繰り返し聞いたりして、少しずつ理解できるようになった。藤間先生のおかげでいろいろ勉強になった」。
(写真はすべて筆者写す)
「北京週報日本語版」2011年11月30日
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