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中国とASEANの経済貿易協力 

 優先領域

(1)相互ネットワーク通信は中国とASEAN関係発展の重点領域である。2010年の第17回ASEAN首脳会議で採択された『ASEAN相互ネットワーク通信全体計画』は、2015年のASEAN共同体設立に向けてASEANが実施した重大な措置であった。現在ASEANの最大の関心事の1つになっているのが、この計画の実行だ。ASEANの地域経済協力における主導的役割の発揮、ASEAN内の安定団結と経済成長、ASEANの世界における影響力拡大にかかわってくるためである。

 近年来、双方の首脳は相互ネットワーク通信の実現が優先協力領域であり重点方向であることを繰り返し強調してきた。今年4月、温家宝総理はASEANのスリン事務局長と会見した際、「中国はASEANと共に努力し、相互ネットワーク通信構築の推進を重点にして、双方の各領域での協力を全面的に推進することを望んでいる」と述べた。今年11月に行われた第14回中国・ASEAN首脳会議および中国・ASEAN対話関係成立20周年記念サミットで、温家宝総理は「中国政府は2009年に約束した150億ドルの貸付金のほかにも、さらに100億ドルをASEAN諸国に提供する。これにはASEAN諸国の相互ネットワーク通信構築支援に用いられる優遇借款40億ドルが含まれる」との意向を発表した。

 (2)グリーン発展が中国・ASEAN協力の新たな原動力になる。中国環境保護部の李干傑副部長は、「中国とASEAN諸国は地理的に近く、大多数が発展途上国と新興工業国であり、環境と発展の面で多くの共通の課題に直面している」と指摘している。中国・ASEANの対話と協力は、地域経済と社会環境との相互協調・融合の促進、地域の持続可能な発展の実現を一貫して主旋律としてきた。ASEANは中国とASEANの環境面での協力を非常に賞賛すると同時に、政策・技術面での協力をさらに強化することも望んでいる。

 環境保護協力はすでに中国とASEANの協力において不可欠の重要領域になっており、双方は生物の多様性、気候変化、大メコン川圏地域協力などの問題で対話を深めている。今年5月にオープンした中国・ASEAN環境保護協力センターは、主にASEANの枠組み下における環境領域協力、双方の環境保護産業協力の推進などを行っており、中国・ASEANの環境保護実務協力の重要な窓口であり、舞台である。環境保護協力の強化は公共政策の内容であるだけでなく、同時に巨大なビジネスチャンスをはらんでもいる。

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