中日アニメ比較
ある中日アニメ比較に関するインターネット調査によると、多数の人が「日本アニメは教育的意義と民族の特色においては中国アニメに及ばないが、制作技術面ではキャラクターデザイン、画像作成、活き活きとしたストーリー、主題曲の創作のいずれにおいても中国より上だ」と考えていた。
宮崎駿作品『となりのトトロ』の扮装をする日本人留学生 (李尕 撮影)
日本アニメは線と色を重んじ、鑑賞性の面で完成されている。一方中国アニメがより重視しているのは物語がおだやかな結末を迎えることである。
2度の文明開化を経たため、日本文化には2つの全く異なる文化がある。1度目の文明開化は「大化の改新」による「唐化」、2度目は「明治維新」による「欧化」である。「唐化」とは、中国の唐の文化によっておこった変化のことだ。唐王朝は尚武の精神を持ってはいたが、侵略性は伴わなかった。唐王朝が衰えると、日本文化は知らず知らずのうちに変わり始めた。近代になって欧州が帝国主義時代に入ると、外部への拡張性の強い文化が日本文化の中で膨らみ始め、日本の「大和魂」意識が強まった。これが「欧化」である。
「唐化」により日本には天皇を中心とした統一理念が形成され、民族意識と神話が融合された。日本の神話には、建国の由来、皇室の起源、国家の発展などについての物語が多く、自然神話も文化神話も国家神話の範疇に入る。「唐化」と「欧化」を経た後、国家神話を根底に持つ日本は、とうに時代遅れになった中国文化と衰え始めた西洋文化ではなく、国家神話だけが日本の台頭を後押しできると考えた。
この点から見ると、日本のアニメには多かれ少なかれ神話的幻想の色彩が濃いものが多く、中国アニメのゆったりと落ち着いた寓話的神話とは異なっている。日本のSFアニメとなるともっと荒々しく、乱暴で、刺激に満ちている。「欧化」思想の影響を受けて、日本アニメは「唐化」による伝統的道徳上の束縛を打ち破り、テーマ設定やストーリー面で中国アニメよりずっと内容や形式が豊富である。
近年の経済危機で日本経済は衰退したが、アニメ産業は勢いよく発展し、多元化され、制作環境も多様になった。日本ではアニメ産業チェーンがすでにかなり成熟しているが、中国のアニメ産業チェーンは現在もまだ出来上がっていない。
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