文化産業を突破口に経済成長モデル転換
灤県共産党委員会の盧宏秋書記は、「文化産業を突破口にして、投資・輸出・消費の順だった経済成長モデルを、消費・投資・輸出の順へと変えていく」と話す。観光産業で消費を刺激し、文化産業を新たな成長ポイントへと育てることで、経済成長モデルを輸出・投資主導型から消費が経済成長をけん引すると内需主導型へと転換していく考えだ。同時に、灤県の知名度と影響力アップ、人々の資質向上も目指す。「灤河流域にある28の県・市のうち、『灤』の字がついているのは灤県だけ。この灤河をテーマにして特色ある文化産業を育て、灤河文化復興のブランドにしていきたい」と意欲を示す。
北京と秦皇島の間に灤州古城を置くことによって、北京から秦皇島・北戴河へと向かう目的地直行型のピンポイント観光を、複数の逗留ポイントのある観光路線へと変えることを狙う。北京と秦皇島・北戴河の間で素通りされていた灤県に観光客の足を引き止め、たくさんお金を落としてもらい、灤県経済の活性化を図ることも期待されている。
実際の投資開発を行うのは雲南楚雄匯通房地産開発有限公司だ。古鎮(古い村)や古城をテーマにした観光開発の実績があり、これまでに雲南省で少数民族の彝族をテーマにした彝人古鎮・孔子と儒教文化をテーマにした石羊古鎮を開発し、現在は重慶市で長寿をテーマとした長寿古鎮の建設を進めている。古鎮や古城観光地の開発は、雲南省の麗江古城、安徽省の鳳凰古城、浙江省の烏鎮(西柵)など主に南部に集中しており、北部では山西省の平遥古城を除くとまだほとんど空白地帯と言ってよい。灤州古城はまさにこの空白を埋める形になる。雲南楚雄匯通の呉玉勝董事長は「灤州古城は単なる観光地ではなく、商業・文化・観光・居住の総合体。食べる・泊まる・行く・遊ぶ・買う・楽しむという観光の六大要素を満たす」と語る。
すでに完成し一般に公開されているモデルエリアを訪ねると、巡灤府と扁額のついた建物の前でチャルメラや太鼓の演奏に迎えられた。通りにはもう開業している商店やバーも一部ある。来年の全面オープン時には、5スタークラスのホテルや民宿、各種店舗が軒を連ね、廟会(縁日)や民俗文化をテーマにしたイベントが行われるようになるという。タイや韓国のレストランなども営業が予定され、国際色も豊かになりそうだ。
すでに完成したモデルエリアの街並み
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