5分野の互恵協力の展開
唐家璇氏は中日両国は二国間、地域、世界という3つの面から次の5分野の互恵協力を進めるべきだと表明した。(1)グリーン経済面の協力。両国の経済・貿易協力のレベルアップとモデル転換をリードするような大規模なモデル協力事業を積極的に打ち出す。(2)震災後の再建と災害防止、減災の協力。実務的な交流・協力を強化し、互いの長所を学び短所を補い、重大な災害に対応できるセーフティーネットを積極的に構築する。(3)アジア太平洋地域一体化のプロセスにおける協力。地域協力の今後の枠組みにかかわる重大問題について密接な交流を行う。地域経済一体化に力を入れ、地域協力の互恵・ウィンウィンに向けた発展を一貫して進める。六者会合と北東アジア平和に向けた枠組みの構築に力を入れる。(4)世界的な課題への対応における協力。国連、G20、APECなどの多国間の枠組みを十分に利用し、世界的な重大問題について密接な交流と協力を継続的に行う。(5)領海に関する問題の協力。対話や話し合いを通じ、領海に関する問題を慎重かつ適切に処理する。急務となっているのは海上の危機管理・防止の強化、海上の危機管理メカニズムの早急な構築・完備、突発的な事件の回避である。協力する意思を持って難題を解決することで、東中国海と西太平洋を本当の意味での「平和、友好、協力」の海にすることが必要である。
震災後の再建と災害防止、減災の協力について、中国側委員で、中国遠洋運輸集団総裁の魏家福氏は次のように語った。「現在、日本政府にとって主な任務は震災後の再建だ。日本の震災後の再建により、セメントや建設機械や農産物などの面で巨大な需要が発生した。中国は日本と最も近い国であり、建築材料、労働者、生活用品、食品などさまざまな面において、日本の震災後再建のための必需品の提供元になるだろう。中日両国は日本の震災後再建の協力に大いに力を入れるべきだ」。
日本側委員、東京大学大学院経済学研究科教授の吉川洋氏は次のように述べた。「地震の影響は、サプライチェーンがカットされたことなどいろいろあるが、その影響は一時的なことだ。日本は1923年に東京で大変酷い地震があった。そのときの被害は今回と比べられないほど酷いものだったが、日本はちゃんと立ち上がっている。だから、地震の影響というのは一時的なものだ。地震が日中経済に大きな影響を与えることはなく、両国の経済協力はますます密接になっていくだろう」。
関連資料
中日友好21世紀委員会は両国政府の諮問機関で、1984年に設立、両国各界の著名人で構成されている。その主な役割は中日関係の長期的な安定的発展への道のりを研究し討議して、両国政府に提言することである。第5期委員会は2009年11月に発足した。
「北京週報日本語版」2011年11月2日 |