国民の友好的感情の増進
両国民の相互理解と友好的感情の増進は中日両国の戦略的互恵関係を深化する基礎と前提であるが、歴史的・現実的な原因のため、ここ数年来、両国民の好感度は低下している。これについて、唐家璇氏は次のように述べた。「双方は地理的に近く、文化的に通じ合うという独特の強みを十分に発揮し、官民双方で人的交流を積極的に拡大すべきだ。特に青少年交流への取り組みを強化し、粘り強く継続する。たゆまず交流の形式を革新し、内容を拡充すべきだ」。
中国側座長の唐家璇元国務委員 (繆暁陽撮影)
また、唐家璇氏は「客観的かつ友好的な社会世論環境を共同で築くべきだ」と強調し、次のように語った。「中日両国の政府はメディアに肯定的かつ客観的な情報を多く提供し、両国民に相手を正しく理解してもらい、良好な相互作用を形成しなければならない。両国のメディアは交流を強化し、相互理解を増進し、責任感を強め、悪意の宣伝を防止し、両国関係の改善・発展のために懸け橋の役割を果たすべきだ」。
周明偉氏は次のように述べた。「両国の社会的エリート、オピニオンリーダーとマスメディアは両国の民衆や政府の理性的な思考を導く責任を果たすべきだ。突発的事件と両国関係の摩擦が発生した時には、中日関係の大局を重視するべきであり、一部の問題で両国関係の全面的発展に影響を与えてはいけない。また、民衆が両国民感情を正しく受け止めるよう理性的に導き、青少年交流の拡大を重点とし、新たな交流プロジェクトを絶えず開拓し、両国の政界の要人と民衆、民衆と民衆の間の交流を増進する必要がある」。
会議で発言する中国側委員で中国外文出版発行事業局局長の周明偉氏(右から2人目) (繆暁陽撮影)
最新の世論調査によると、相手国に好印象を抱いていない国民が中国で6割超、日本で約8割になったという。これに対して、周明偉氏は次のように語った。「もし肯定的な角度から、両国の友好的国民感情増進の緊迫性と重要性を認識するよう両国民を導いていけば、世論調査は中日関係を発展させる原動力になる。しかしもし否定的な角度から見れば、これらの数字のマイナス要素を更に拡大する。そのため、世論主導者としては、世論を尊重すべきであるが、単純に世論によって動きが取れないようなことになってはならず、世論がそのプラスの影響を発揮できるよう導いていかなければならない」。
日本側委員で、NHK「クローズアップ現代」キャスターの国谷裕子氏は「メディアが伝える両国の姿は、ときにはナショナリズムに左右されることも多くて、どうしたら両国の人々に等身大の姿をお互いに伝えられるかについて、メディアの責任が多いといつも感じる」と述べた。
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