政府が救済に乗り出す
温州中小企業の資金ショート問題を各級政府も重大視している。10月4日、温家宝国務院総理は温州で会議を召集し、浙江省と温州市の小企業発展状況に関する報告に耳を傾けた。
10月7日、浙江省政府は会議を開き、企業の憂慮を取り除いて問題を解決し、さらなる中小企業資金ショートの防止に積極的に乗り出すよう政府部門に要求した。
10月9日、温州市政府は中小企業の資金ショート防止のための一連の市場救済措置を打ち出した。これには2億元の「中小企業転貸臨時運転資金」の設立も含まれており、温州中小企業促進会がまもなく設立する類似基金は総額9億元に達している。
中国証券報によると、浙江省と温州市は、投資・融資ルートを拡大して温州経済の発展に新たな原動力をもたらすために、温州を金融総合改革試験区として申請する予定だという。
10月12日、温家宝国務院総理は国務院常務会議を召集し、小型・超小型企業の発展を支援する金融、財政・税務政策措置について検討・確定した。これらの措置のうち企業経営者を最も喜ばせたのは、小型・超小型企業への貸付金支援を強めるよう要求し、銀行業界金融機関の小型・超小型企業への貸付金増加幅が貸付金全体の平均増加幅を下回ってはならないと規定したことだ。貸付金増加額が前年同期水準を上回り要求を満たした小規模金融機関には、引き続き比較的低い預金準備率を適用するとした。また、貸付金が確実に小型・超小型企業の正常な生産経営に用いられるようにするため、監督管理機関には貸付金監督管理と最終顧客モニタリングの強化を求めている。
今回の会議はさらに、小型・超小型企業の資金調達ルートを拡大し、小型・超小型企業の集合手形、集合債券、コマーシャルペーパーの発行規模を次第に拡大し、私募発行株式投資やベンチャー企業投資などの資金調達ツールを積極的かつ確実に発展させるよう要求した。さらに市場内取引と市場外取引のシステム構築をさらに推進し、小型・超小型企業の株式担保融資環境を改善することも求められた。
これらの措置は温州企業のためだけでなく、資金難に苦しむ全国の中小企業にとっても「恵の雨」である。
付属資料 温州市は中国東部沿海部の浙江省にあり、中国民営経済が最も発達した地域。
温州の民営経済は多くが家内工業と専門市場という形を取っており、「小商品、大市場」という構造になっている。小商品とは生産規模、技術力、運輸コストが低い商品のことで、大市場とは温州出身者が全国ないしは世界に構築した市場ネットワークのことを言う。低コスト・低利潤の温州モデルは、中国が世界の工場となった最も重要な原因である。
現在温州市がリードしている業界は、電気製造業、革靴製造業、プラスチック製造業、衣料品製造業などで、35の国家級生産基地があり、温州の一定規模以上工業企業は8000社余りある。
「北京週報日本語版」2011年10月25日 |