本誌記者 蘭辛珍
中国経済は昨年第4四半期から徐々に減速している。しかも今のところその傾向はまだ弱まっておらず、加えてHSBC香港上海銀行が9月22日に中国の9月の製造業購買担当者指数(PMI)予想値が49.4というデータを発表し、3カ月連続で景気拡大と後退の分岐点である50を下回ったため、今後中国経済は硬着陸するのではないかとの行き過ぎた懸念が国内外に広がっている。
この懸念に対し、国務院発展研究センターの盧中原副主任は、その必要はまったくないと語った。
経済成長率鈍化は計画調整によるもの
中国経済の発展と動向について、国務院発展研究センターは一貫して重点課題として分析研究を行ってきた。盧中原副主任によると、研究の結果、中国の経済成長が現在鈍化しているのは一種の短期的抑制調整の結果であるが、この調整は正常な範囲内に収まっていることが証明されており、中国経済の年間成長率は依然9%を超えると予想されるという。
黄河南岸にある現代農業企業の風力発電システム。この企業ではこのシステムで発電した電力を温室ハウスの照明と動力電源に用いている(王頌撮影)
盧副主任によると、健全な経済成長率は合理的な範囲内で上下動するものであり、この合理的な範囲は経済体の成長潜在力によって決まるという。この30年来、中国の経済変動幅の比較的合理的な範囲は8~12%と考えられ、成長率が12%を上回らず、また8%を下回らなければ、その変動幅は正常であると見てよい。現在のところ中国経済成長率は9~10%の間にあり、これは合理的なものだ。
中国は現在、財政金融と国家中長期計画を内容としたマクロ調整を行っているが、盧副主任によれば、マクロ調整の目的はこれまでの速すぎた経済成長率を若干鈍化させ、経済に大きな起伏が起こらないようにすると同時に、マクロ調整を通して構造調整、省エネ・排出量削減の目的を達することだという。
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