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煙台と日本をつなぐ縁

 

煙台ワインで知名度アップも期待できる「国際葡萄・ワイン都市」

煙台はワインの産地としてもその名を知られ、アジアで唯一葡萄・ワイン国際機構(OIV)の「国際葡萄・ワイン都市」の称号を持っている。夏は涼しく冬は温暖で、年間の平均気温は約12度。湿度が低く乾燥した気候がワイン生産に適し、中国ワインの発祥地とされている。張裕、長城など140社余りの有名ワインメーカーがあり、中国ワインのほぼ半分が煙台で生産されている。また、煙台市が管轄する県級市の蓬莱には、中国で圧倒的な知名度を誇るフランスボルドー地区五大シャトーの1つ、シャトー・ラフィットがワイン生産に乗り出しており、日本をはじめ世界のワイン愛好家から熱い視線を浴びている。

9月23日に煙台国際博覧中心で開幕した第5回煙台国際ワインフェスティバルには、約490の出展ブースが設けられ、国内ワインメーカーだけでなく、オーストラリアや南アフリカのワインメーカーも多数出展した。展示ブースではワインのテイスティングが出来るコーナーもあり、中国各地や世界各国から届けられたワインを多くの来場者が楽しんだ。  

数ある展示ブースの中でひときわ目立ったのが煙台張裕集団有限公司(以下、「張裕ワイン」)のブースだ。張裕ワインは中国国内ワインシェアトップを誇る中国ワインのリーディングカンパニー。張裕ワイン関係者によると、2010年の売上高は世界4位というから、世界的に見てもトップメーカーだ。売上高ベースで世界トップ10に入ったアジア発のワインメーカーは張裕ワインだけである。2010年の上海万博で訪中した米国のオバマ大統領、ロシアのメドベージェフ大統領、英国のキャメロン首相など各国首脳らが政府主催の宴会で飲んだのも張裕のワインだ。

張裕ワインの歴史は1892年に華僑の張弼士が創業した煙台張裕釀酒公司に始まる。百年以上の歴史を誇り、1912年にワイナリーを訪れた孫文が贈った「品重醴泉(張裕のワインは孫文の故郷にある醴泉の水より美味)」という賛辞は、今も張裕ワインの代名詞になっている。また、張学良や康有為などの著名人も張裕ワインを味わい、その感想を書き残している。

孫文の残した「品重醴泉」という言葉。張弼士は孫文の活動を金銭的に支えたパトロンでもあった

 張裕ワインが運営する張裕酒文化博物館には、張裕ワインの歴史が展示されているほか、創業当初のワイン作りの様子も見学することができる。地下にはセラーがあり、ずらりと並んだワイン樽も見ごたえ十分だ。圧巻なのは創業当時使われていた容量15トンの巨大なワイン樽。あまりに巨大なため、先ずこのワイン樽を設置してからワインセラーを建設したという逸話も残っている。地下セラー内にあるバーでは張裕ワインのテイスティングもでき、ワイン文化の普及に一役買っている。

地下セラーにずらりと並ぶワイン樽

      容量15トンの「ワイン樽王」。今は使用されていない

                               創業当時の巨大ワイン樽の写真

 「青島と言えば青島ビール」。日本人にとって青島と青島ビールは分かちがたく結びついており、青島ビールが青島の知名度アップに果たす効果は絶大だ。それに比べると、正直なところ煙台も煙台ワインも日本での知名度はまだまだ低い。日本でもワイン愛好者は増え続けている。煙台ワインが有名になれば、その分だけ煙台の知名度も上がるだろう。「煙台と言えば煙台ワイン」というキャッチフレーズが人々の口に上れば上るほど、日本人と煙台との心理的な距離は縮まっていくはずだ。アジアで唯一の「国際葡萄・ワイン都市」の称号は、なかなか使いでがありそうだ。 (写真はすべて筆者写す)

「北京週報日本語版」2011年10月10日

 

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