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煙台と日本をつなぐ縁

 

進出日系企業も多い「投資環境金メダル都市」

煙台は外資企業にとって魅力的な投資先だ。2006年には、杭州、青島、紹興、蘇州、廈門とともに世界銀行の中国投資環境「金メダル都市」に選ばれた。その優れた投資環境に惹きつけられ、煙台には数多くの外資企業が投資している。山東国際商務網によると、2009年末現在の累計外資誘致案件数は1万2148件、累計実質ベース外資使用額は208億3000万ドル。主な進出企業には、米国のGM、ドイツのHuf、韓国の現代などがあり、日系企業ではデンソー、三菱セメント、ニチレイ、アサヒビールなどが進出している。

 煙台首鋼電装の日中双方幹部。左から、劉副総経理、鈴木総経理、澤田チーフ・エグゼクティブ・エンジニア

煙台に進出した合弁企業の中で最も成功した例として挙げられるのが、煙台市開発区にある煙台首鋼電装有限公司だ。煙台首鋼電装有限公司(以下、「煙台首鋼電装」)は中国鉄鋼メーカー大手の首鋼総公司(以下、「首鋼」)と電装(中国)投資有限公司(デンソー100%出資)、豊田自動織機、豊田通商が共同出資し、1994年に設立された。主にカーエアコン、コンプレッサーなどの製品を生産している。2010年の売上高は12億1600万元で、一汽豊田や広州本田、一汽大衆など中国国内にある自動車メーカーに製品を供給するほか、ヨーロッパや東アジア、日本などにも製品を輸出している。

煙台首鋼電装の鈴木道彦総経理によると、デンソーが煙台を投資先として選んだのには主に3つ理由があるという。1つは、首鋼が合弁パートナーとして非常に望ましかったこと。当時煙台の開発区に進出しようとしていた首鋼は、製品範囲を鉄鋼以外に広げるためにデンソー製品を参考にして自動車向け製品の製造に着手しており、これがデンソー側のパートナー要件とマッチした。2つめは、煙台の地理的条件の良さである。煙台は中国のどの地域にもアクセスがよく、消費者との距離が近かった。3つめは、煙台の開発区が工業団地としてすでに整備され、ハード・ソフト面ともに高いサービスを提供できた上に、開発区側からも非常に熱心な誘致があったことだ。鈴木総経理は、「煙台に工場を作ってとてもよかったと思っている」と言う。

では、煙台首鋼電装の成功の理由は何だろうか。鈴木総経理は、「デンソーが儲けるためだけでなく、中国の自動車産業を発展させようとしてきたから。自社の利益だけではなく、『中国のため、中国の人々のため』をモットーに、中国の人々の生活水準を上げようとしてきた」と言う。合弁相手である首鋼側代表の劉倡副総経理も、「小異を残して大同に就く。小さな違いはあるが、大きな目標に向かって共に努力している」と語った。日本側と中国側の役割分担もうまくいっているようだ。「実際の生産は主にデンソーがやるが、開発区との折衝は中国側パートナーの首鋼がやってくれる」(鈴木総経理)。さらに、煙台市開発区のあたたかい対応も大きなポイントだという。「電力供給などの問題についても開発区がよく対応してくれている」と鈴木総経理は言う。

労使関係も良好だ。500人余りの従業員のうち、昨年退社したのは10人程度。「従業員の退社率は極めて低い。給与面では低いという声もあるが、福利厚生なども含めると全体的な満足度は高いと思う」と鈴木総経理は言う。劉副総経理も「煙台電装は新労働法施行後に福利方面を一番よくやっている企業。山東省の労働検査部門が特に視察に来たくらいだ」と胸を張った。幹部と一般社員との絆を深めるために、社員の誕生日に幹部との食事の機会を設けるなどしてコミュニケーションも図っている。「関係はとてもいい」と断言する鈴木総経理の言葉に、成功した合弁企業としての自信がにじんだ。

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