(~ウェンナン先生行状記~)
斎藤文男(南京大学日本語学部専家)
◇学生もスズメも“古巣”に戻る◇
新学年が始まり、学生たちが故郷の帰省先や留学していた日本から大学に戻ってきた。1年間留学していた学生は、日本語もかなり上達した。日本留学から戻った学生に「日本での驚き」を発表してもらった。昼休みが1時間しかないため、昼寝ができず困ったこと、デパートなど店員のサービスが徹底していて、店に入ったら何か買わないと申し訳ないような気になったことなど、さまざまな驚きを体験したようだ。日本の企業での実習で男女差別が以前としてあることや、ラーメン店でのアルバイトでは、自分の仕事だけでなく常にお客さんに注意することも学んだ。日本の大学の講義の項目は実に豊富だが、食堂のメニューの種類が少ないのには落胆していた。専家楼窓辺のサンクチュアリでは、子スズメを連れた母スズメが今年2回目の子育て最中だ。夏休み明け後の新しい季節は、学生もスズメも未来への希望と意欲が漲っている。
南京大学正門はいつも通りの学生の賑わいが戻った
◇丁寧なサービス卒論テーマに◇
日本の留学生活で最も驚いたことは、「サービス業の丁寧な接客態度だった」というのはYさん(女性)。日本の店では実際に買わなくとも、店員はお客さんに対していつも笑顔でいる。提供されている食品の試食をして、それを飼わなくとも「ありがとうございます」と言われる。衣服を試着して買わないお客さんに対しても「またのご来店をお待ちしております。」と、中国ではほとんどあり得ない接客態度に感心していた。
レストランで食事を注文するときは、店員が足元にしゃがんで丁寧にオーダーを聞いてくれる。日本では「お客様は神様です」といわれているが、なぜこれほどサービスが徹底しているのか、どのようにしてこのようなサービス精神が育ったのかなどの疑問が湧いてきた。このように丁寧なサービスに驚いたのは、自分が中国人だからなのか、日本人自身や他の外国人はどのように感じているか、などを知りたくなり、Yさんは、このテーマで卒業論文を書くことにしている。
|