伝統体育の競技化と観光化
少数民族運動会の間、民族体育科学論文シンポジウムなどのイベントも開催された。スポーツ界と教育界の専門家によると、民族伝統体育種目の発掘と整理作業を強化しなければならず、少数民族伝統体育文化を伝統文化の重要な部分として保護・継承し、全国や省レベルの民族運動会などの形式を通じて、体育種目の普及と民族文化の発揚を促進する必要がある。

少数民族式レスリングの試合(石剛撮影)
少数民族伝統体育の競技化について、早稲田大学体育人類学博士の馬晟氏は次のように述べた。「『伝統』と『競技』には根本的な矛盾がある。伝統は民族の個性をはっきりと示すものだが、競技で強調されるのは大衆が参加できる共通性だ。少数民族伝統体育が競技化される過程で、もともとの伝統文化は必ず影響を受けるが、競技化は現代スポーツの発展の主導的な成り行きであるため、伝統体育文化の保護とバランスを取りながら競技化革新を行っていくことが求められている。
このほか、伝統体育の観光化も注目を集めている。「中国少数民族の伝統体育は鮮明な民族の特色を持ち、参与性、娯楽性も高いため、多くの種目がすでに現地の観光の看板になっている」と馬晟氏は語った。
中国の民族運動会にとても関心を持ち、何回か参観したことがある早稲田大学スポーツ科学学術院院長、日本体育学会副会長の寒川恒夫氏によると、日本でも中国の伝統的体育文化に興味を持っている友人は多く、何度も一緒に新疆へ「叼羊(羊を奪い合う馬上競技)」を見に行ったことがあるという。寒川氏は、中国の民族運動会をもっと観光や経済的利益と結び付けるべきだと提案している。外国からの観光客が大量のお金や時間や精力を使い、中国各地に散在する少数民族地区を旅することは非常に不便だ。56の民族が集まる民族運動会は文化を集中的に見せる機会で、外国人観光客を強く引きつけるものである。
「北京週報日本語版」2011年9月21日 |