――経済能力(所得、消費水準など)、社会地位(職位など)、文化水準(教育程度など)、階層意識(セルフ・アイデンティティーなど)といった評価判定指標の角度から、もう少し詳しく中国の「中間所得層」の評価を聞かせていただけますか?
さきほども少し触れたが、中間所得層は一般的に次のような階層である。①所得水準が比較的高く、食品消費のほかにも交通、文化娯楽、健康増進やスポーツ・フィットネス、旅行・レジャーなど社交費用を支払うことができる。②独立した住宅と比較的広い居住空間を持っている。③社会的地位が比較的高く、一定の社会的影響力を持つ。④高い教育を受け、比較的高い文化的素養がある。⑤比較的強い社会責任意識と社会階層帰属感を持つ。中国における中間所得層は通常、国家機関公務員、高等教育機関教員、医療機関医療従事者、科学研究機関研究員、大中型企業の中級以上の技術・管理職、私営小企業経営者などが多い。
――今回の『青書』では、全体的に見て、中国の都市部は依然として中低所得層の割合が高く、人々が望んでいるような中間がふくらみ、上と下がすぼまった「オリーブ型」構造はまだ出現していないようです。しかしいずれにしても、現在、中国の都市部中間所得層はすでにある程度の規模になっています。その規模と「安定性」についてはどうお考えでしょうか?
中国の都市部中間所得層は経済社会発展の必然の産物であり、その規模は経済社会発展とともに大きくなってきた。現在の都市部中間所得層の規模はまだ「小康社会」(ややゆとりのある社会)の全面的建設と「和諧社会」(調和のとれた社会)建設の戦略的要求よりも低く、さらなる拡大が必要だ。
中国の都市部中間所得層のここ10年の増加状況には不安定さが見られるが、これは中国のマクロ経済の変動、税制構造調整、住宅価格変動、インフレ水準などの要素と関係がある。しかし長期的に見れば、都市部中間所得層の拡大は必然の動向だ。
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