――『中国都市発展報告』副編集長単独インタビュー
本誌記者 唐元愷
8月初旬、中国社会科学院は2011年版「都市青書」、『中国都市発展報告No.4――クローズアップ国民生活』を発表した。そのうち、中国都市部中間所得層規模などに関するデータに注目が集まり、中国には中産階級がすでに存在する又は「萌芽」しつつあるのかなどが話題になっている。近ごろ、本誌記者は『青書』の副編集長である中国社会科学院都市発展・環境研究所所長助理兼都市・区域管理研究室主任の宋迎昌研究員に独占インタビューを行った。
――宋さんが副編集長を務められ、先ごろ発表された4冊目の『中国都市発展報告』(青書)によると、2009年現在、中国都市部の中間所得層規模はすでに2億3000万人に達し、都市人口の37%前後を占めていますが、これは何を意味しているのでしょうか?この2つの重要なデータの背後にはどのような動向が反映されていますか?
中国都市部の中間所得層人口がすでにかなりの規模に達していることを意味している。これは中国の改革開放以来の経済社会の急成長の必然的結果であり、中国政府が長年科学的発展観をしっかりと確立し、人間本位の方針を堅持し、国民の利益となる政策を実行してきたことの具体的な表れでもある。
この2つの重要データの背後には2つの明らかな発展動向が反映されている。1つは、中国の都市部中間所得層規模が引き続き拡大傾向を示すと見られることだ。『中国都市発展報告No.4』によると、2000年の中国の都市部中間所得層は1億2000万で都市人口の26%だったが、2009年には2億3000万となり37%に達した。10年間で都市部中間所得層の規模は2倍近くになり、都市人口に占める割合は11ポイント上昇した。中国の経済社会がプラス成長を保ち、都市住民所得が着実に向上しさえすれば、中国の都市部中間所得層が拡大を続けていくのは必然と見られる。第2に、中国の都市部で「オリーブ型」社会構造が出現することも期待できる。『中国都市発展報告No.4』によると、2023年までに、中国の都市部中間所得層の都市人口に占める割合は50%を超えると見られ、その時には中国の都市は「オリーブ型」社会構造を呈し、中国都市部の社会発展が新たな段階へと入ることが予想される。
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