――発展という角度では、青海省はどのように自身を位置づけていますか？２０１０年に中央は新たな西部大開発実施戦略を決定しましたが、それによって青海にはどのようなチャンスと挑戦がもたらされるでしょうか？

青海省が他の省と異なるところは、資源が豊富で人口が少ないことだ。まず、三江（長江・黄河・瀾滄江）の源流がある青海省は中国の重要な水源地であり、生態安全の砦でもある。長江・黄河・瀾滄江の流域で中国の人口の半分をカバーしている。三江の水源地は現在アジア、ひいては世界でも最大の生態保護試験区でもある。

次に、青海省は中国の重要な鉱産物資源基地である。青海省の１人当たり資源占有量、特に鉱産物資源占有量は全国でトップだ。しかもこの数字は１０年前の地質実地調査をベースにしたものである。

したがって、こうした特徴を持つ青海省にとって、２０１０年７月に実施された新たな西部大開発戦略は得がたい歴史的チャンスだと考える。西部大開発を通じて、インフラの建設と改善を加速し、資源・技術・管理などの一体化を実現し、特色と優位性を持つ産業体系を作り育成することができる。このほか、新しい西部大開発戦略では、生態建設と環境保護をさらに重視し、生態補償メカニズムの構築と整備を加速することが強調されており、青海省が生態保護を実施する上で新たなチャンスになる。

『青海省十二五計画発展綱要』から、科学の発展、生態の保護、民生の改善が「十二五」期間中の青海省の主要三大任務であることが分かる。科学の発展は第一の重要事項であり、生態の保護は政治責任であり、民生の改善は当面の急務である。

――現在、青海省の重点発展産業にはどんなものがありますか？

青海省が重点的に発展させている産業には主に次のようなものがある。１つ目が新エネルギー。主には太陽光発電で、さらにリチウム電池や太陽光発電ユニットの研究開発なども含まれる。低炭素であるため、生態にも影響がなく、国の二酸化炭素排出量削減にも貢献できる。２つ目が新材料供給で、例えばアルミニウム、マグネシウム、銅、亜鉛、リチウム、ニッケル、合金などの材料だ。

ほかにも、特にバイオ製薬産業の発展を奨励している。青海省は青蔵高原に位置し、高原気候で生育する動植物には豊富な薬用価値のあるものが多い。例えば乾燥した環境で育つ沙棘（サジー）という植物を利用して、沙棘酒や沙棘ジュースなどの関連商品が開発されている。またほかにも、高原に生息する「兎鼠」と呼ばれる動物は、草原を荒らすため現地の遊牧民に鼠害をもたらす動物だと考えられてきたが、最近ではタングラ（唐古拉）生物園区にあるタングラ製薬廠（製薬工場）がこれを使ったリューマチ予防の薬酒を製造した。また、チベット絨毯に代表される軽紡績業、高原ならではのヤク関連産業などは、チベット族居住地域の就業問題を解決するとともに、現地の経済発展も促進することができる。

――「十二五」期間中の特色ある地域経済発展の面で、青海省はどのようなことを計画していますか？

「十二五」期間に、グリーン経済を発展モデル転換加速の基本軸にし、三江源生態保護総合試験区、ツァイダム（柴達木）循環経済試験区、レゴン（熱貢）文化生態保護試験区という３つの国家級ブランドの確立に力を入れ、循環経済十大産業チェーンの構築を加速していく。将来、青海省は中国の重要な水道・電気基地、塩湖化学工業基地、非鉄金属生産基地、新材料産業基地、太陽光発電産業基地、生態商品供給基地となっていくだろう。