第4に、中国は世界の安全と人類の安全に重きを置き、世界のテロとの戦いにおける国連の主導的役割を積極的に重視し支持するだけでなく、具体措置を講じて世界のテロとの戦いのプロセスを推進している。2001年10月、ホスト国であった中国は対テロ問題をAPEC会議の議題として取り上げ、会議で『アジア太平洋経済協力会議首脳の対テロ声明』を発表するよう働きかけた。これは当時米国がアフガニスタンとの間で進行中だった対テロ戦争にとって大きな道義的支持となり、長期的なテロとの戦いも理論的な意義を持つことになった。アフガニスタン対テロ戦争後も、中国はアフガニスタンに同情を寄せ、その再建を支持し、地域の安全と安定維持に努めた。対テロ国際協力に積極的に参画するのと同時に、中国は国内の対テロ策も絶えず強化し、テロ犯罪懲罰関連法律を改正し、対テロ協調メカニズムの確立と整備、テロ専門対応力の構築、対テロ対応策の整備、対テロ措置の強化を行い、著しい効果をあげた。
グローバリゼーションと情報化時代が進むにつれて、特に米国によるビンラディン射殺と中東と北アフリカ動乱の後、国際テロリズムの発展と世界のテロとの戦いは今すでに新たな歴史段階へと入っている。「アルカイダ」組織勢力が挫折し、テロ実行組織として「9・11」事件を起こすような能力は大きく低下したが、「アルカイダ」組織の意識形態と感染力はまだ衰えておらず、各地域の支部や関連勢力がまとまりを持つようになり、一部の国や地域がその害を被っている。その一方で、テロリズムの脅威は分散化とサイバー化へと向かう傾向を見せており、サイバーテロの脅威が増大、その対応には国際社会の協力と協調の強化がいっそう求められている。このほか、国際金融危機の後遺症はまだ残っており、社会の動揺や欧州極右の活動も激化するなど、世界のテロとの戦いは深みに入り、複雑さを増している。
以上を総合すると、テロリズムの防止と撲滅は依然として世界各国の安全が直面している重大な課題であり、今後もさらに複雑化していくだろう。現在、米国は新たな対テロについてのフォーラムを計画中だが、形式はどうであれ、国連が主導し、表面的現象も根本的原因も取り除くようにしなければ、テロリズムを生む土壤を根本的に取り除くことはできない。平和発展を目指す大国である中国と平和を愛する民族である中華民族は、平和を愛する国と一緒に、地域の安全と安定を守り、世界のテロとの戦いの進展を促進し、平和で、発展し、調和のとれた世界を築くために、共に努力していくことを望んでいる。
「北京週報日本語版」2011年9月13日 |