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世界のテロとの戦いに貢献する中国

傅小強(中国現代国際関係研究院反テロ研究センター主任)

 

テロリズムは今、世界平和と安全保障が直面している重要な脅威である。「9・11」米同時多発テロ事件以降、テロとの戦いは21世紀の最初の10年に国際社会が直面した主要な対立であり、国際安全保障についての議題でも重要な位置にある。国連安全保障理事会常任理事国であり、平和的発展を目指す大国でもある中国は、この10年で世界のテロとの戦いにおいて重大な貢献をしてきた。

 

2010年9月23日午前、北京で公安特殊警察と武装警察が初の対テロ総合実践訓練を行った (CFP) 

理論的貢献

中国は安保理の常任理事国として、また発展途上の大国として、世界のテロとの戦いにおいて重要な理論的貢献をしてきた。1990年代末から、中国政府はすばやくかつ鋭敏にテロリズムという現在の世界にとって共通の脅威に注意を向け、江沢民主席と胡錦濤主席が率いたテロとの戦いの実践の中で、また世界情勢の観察と歴史経験の総括の中で、一連の重要な対テロ思想と観点を相次いで打ち出してきた。江沢民主席時代に提唱した新安全観は、従来とは異なる安全問題、特に国際テロの国際平和に対する現実的脅威の発生は、政治や経済、民族、宗教などさまざまな対立が総合した産物であると同時に、深刻な歴史的・文化的背景を持っていると指摘した。中国は対テロ国際協力という対テロのモデルを打ち出し、政治や経済、外交、軍事、法律などの手段を総合的に活用して国際テロの脅威に対処することを強調し、単に武力に訴えるのではなく、世界のテロとの戦いにおいて対話と協力を提唱し、表面的な現象だけでなく根本的原因も取り除き、テロリズムの根本原因と土壤を根絶やしにすることを重視した。「9・11」後、中国は対テロ問題における協議の強化を含む世界のテロとの戦いに全力で参画し、対テロ情報を交換し、テロ組織の資産凍結など金融面での協力を強化した。これは、新たな情勢下において相互協力を通じた共通安全擁護を試みた成功例であり、重要な意義を持つと言えるはずだ。

平和的発展と調和のとれた世界という中国の主張は、世界のテロとの戦いにも適用することができる。この10年の中国の対テロ政策を総括して見てみると、その基本点は4つある。①ダブルスタンダードを使わないことを強調した。各国国民の共通利益と国際社会の共通安全の観点から出発し、テロリズムがいかなる方法で、いつ、どこで、誰に対して発動されようと、国際社会は一致した立場に立ち、断固としてこれに打撃を与えるべきで、対応に違いがあってはならないと主張した。②テロリズム撲滅には、国連と安全保障理事国が主導的役割を十分に発揮することが必要であり、すべての行動は『国連憲章』の主旨と原則、その他公認の国際法準則に合致していなければならない。確かな証拠に基づき、目標を明確にして、無辜の犠牲者を出すことを避け、恣意的に攻撃範囲を拡大してはならない。③テロリズム撲滅には、表面的な現象だけでなく根本的原因も取り除くことが求められる。目前の問題解決も検討した上で、長期的な根絶方法にも目を向けることが必要だ。その重要な条件は、発展問題を解決し南北格差を縮小することである。国際金融危機による衝撃という現在の新たな情勢下では、国際社会はいっそう大きな緊迫感を持って発展問題を重視しなければならない。④テロリズム撲滅は平和と暴力との戦いであり、民族や宗教、文明の衝突ではない。テロリズムはごく少数の過激で邪悪な勢力であり、テロリズムと特定の民族や宗教を関連づけてはならない。中国はさまざまな社会制度と文明が長期的に共存し、競争の中で長所を取り入れ短所を補い、それぞれの違いは残しつつ互いの共通点を見出し共に発展していくことを主張した。中国の対テロに関する主張は、世界の大多数の発展途上国の賛同を受け、支持された。

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