解決への道
目下のところ、当面の急務は災害支援である。災害支援は消火活動と同じで、効果ある措置と迅速な行動が必要である。そうでなければ、さらに多くの被災者が悲惨な死を遂げていくことになる。災害支援には国際社会の共同努力が必要だ。国連は「アフリカの角」地域を援助するために24億ドルの人道支援募金を呼びかけたが、現在のところわずか11億ドルの支援の申し出しかなく、目標額には程遠い。「アフリカの角」の飢饉は今も続いており、国際社会、特に先進国はただちに行動を起こし、アフリカの被災国にすぐに援助の手を差し伸べるべきだ。
中国は責任ある新興大国であると同時に、アフリカと古くから深い友好関係を持っている。中国政府は「アフリカの角」の飢饉を非常に重視し、関連するアフリカ諸国の困難をわが身のことのように感じ、ただちに援助の手を差し伸べた。2011年8月15日、温家宝・中国国務院総理はエチオピアのメレス首相と会談した際、エチオピアなどアフリカ諸国が当面の干ばつに対応するのを支援するために、中国政府が9000万元の緊急食糧援助提供に加えて3億5320万元の緊急食糧援助の追加を決定したことを公表した。
アフリカの食糧問題を解決するには長期的な構想を持たなければならない。アフリカ諸国は農業への投資を増やし、農業インフラ建設を改善し、大いに水利工事を行い、農業の天候頼みの状態を徹底的に変えなければならない。もちろん、アフリカ諸国にとって農業への投資を増やすことは容易なことではない。前提はアフリカ経済の発展と政治情勢の安定である。アフリカ諸国はすでに農業の基礎的地位とその重要性を認識しており、アフリカ連合の首脳会議ではすでにアフリカの農業発展をテーマとした討議が行われ、農業を発展することで共通認識に達している。
アフリカの農業発展を力強く後押しする上で、中国は多くの努力をしている。1960年代から、中国はアフリカの30数カ国で農業技術普及ステーション、農場などを含む40数項目の農業協力プロジェクトを相次いで展開し、アフリカ諸国が水稲、トウモロコシ、野菜、茶葉、サトウキビなどの作物生産を増やすのを支援し、多くのプロジェクトが今もなお効果を発揮している。ここ数年、中国政府はアフリカの食糧問題をいっそう重視し、アフリカとの農業協力に力を入れている。2006年、中国アフリカ協力フォーラム・北京サミットで、中国政府は3年間でアフリカに農業専門家100名を派遣し、アフリカに特色ある農業技術モデルセンターを10カ所設立すると発表した。2009年の中国アフリカ協力フォーラム・第4回閣僚会議では、中国政府は3年間でアフリカ諸国に建設する農業モデルセンターを20カ所に増やし、農業技術チームを50チーム派遣し、アフリカ諸国の農業技術者2000名を育成すると発表した。
「北京週報日本語版」2011年9月2日
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