本誌記者 唐元愷
北京オリンピックの重要な競技会場の1つであった国家体育館に、再び金メダルが輝いた。8月13~28日、国際サーカス大会で金賞を数十回受賞している「ドリームチーム」――中国雑技団が、新作雑技作品「秀坊『雑技夢工場』」公演を行った。この公演は、2012年元旦前後に同会場で上演予定の最高水準パノラマビューステージ「国家大サーカス」のプレ公演とも言え、中国雑技団にとってはウォーミングアップ公演にもなった。
8月13~28日、「ドリームチーム」中国雑技団が国家体育館で新作雑技作品を公演した
ゲスト出演した太鼓奏者とダンサーがクライマックスをさらなるクライマックスへと高め、情熱的なピエロたちが観客席を盛り上げる……全編を通してすべてが世界最高レベルのプログラムで、素晴らしい作品の数々が代わる代わる演じられ、観客を終始夢幻の境地へと誘う。
中国雑技団は中国初の国家級雑技芸術団体で、昨年ちょうど60周年を迎えた。その足跡は100以上の国と地域に記されている。今年4月15~5月8日には日本を再訪して特別公演を行い、大地震の不安の中で、観客に癒しと勇気、活力を届けた。
8月13~28日、「ドリームチーム」中国雑技団が国家体育館で新作雑技作品を公演した
中国雑技団には自前の専門学校もある。北京市国際芸術学校といい、対外的に生徒募集をしている。創立以来、国内だけでなく30余りの国と地域からも200名以上の留学生を相次いで受け入れた。現在、ロシアや日本など十数カ国、50名以上の学生がこの学校で雑技を学んでいる。
国外では高い名声を持つ人材の宝庫「ドリームチーム」だが、お膝元の国内ではあまり評価されないという苦しい立場にしばしば置かれている。2006年12月には、政府財政によって運営される「事業単位」から中国雑技団有限公司という企業に変わり、当然のこととして、いかにして国内外市場で自己のブランド効果を発揮するか、いかにして市場活動を通じて絶えず雑技芸術を発展させていくかが最大の検討課題となった。
8月13~28日、「ドリームチーム」中国雑技団が国家体育館で新作雑技作品を公演した
今年、中国雑技団は最適な公演場所としてついに国家体育館別館を探し当て、長期公演を行う本拠地に定めた。これは、オリンピック競技会場資源の再利用の道を探る上でも先駆けとなった。「これを契機に、さらに生産経営モデルを試し、開拓していく」。中国雑技団有限公司総経理、北京市国際芸術学校校長の張紅氏は語る。
国家体育館別館は公演に合わせて改造され、館内面積が8520平方メートルに拡張された。馬が走るための道や座席などの設備が設けられ、中国で最大で、機能設備が最も整った雑技・サーカス専用劇場として生まれ変わった。
「北京週報日本語版」2011年8月30日 |