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タイの新政権 挑戦と方向

 

「死の循環」から抜け出す

インラック政権が登場し、表面上、政局はしばらくの間は波立たないと思われるが、事実は決してそうではない。インラック氏が打ち出したマニュフェスト(政権公約=最低賃金を引き上げる、稲作農家に対し米価を担保する、庶民が車や家を購入できるようにする、学生に奨学金や無料でノートパソコンを提供するなど)に対し、内外世論は「急進的すぎる」とか「中小企業の発展を損なう」などといった大きな疑問の声が上がった。見るに、政権はまだ始まってはいないものの、政局はすでに「暗流渦巻く」形勢にある。

仮にインラック氏の総選挙の勝利を過去5年、ないしは10年に置いて見ると、もうひと周りした循環にすぎない可能性が高く、タイが相次ぐ政治的膠着状態から抜け出していないことが分かるだろう。この膠着状態は非常に簡単なものだ。総選挙を実施すれば、社会資源と利益分配において劣勢に置かれるが、人数で絶対的優勢にある親タクシン陣営が勝利し、反タクシン陣営は様々な方策を通じて体制に反対、政権を奪回しようとする。仮に総選挙を実施しなければ、親タクシン陣営は猛烈と反対し、ひいては暴力の衝突を引き起こそうとする。過去数年、タイの政局はこうした「死の循環」に陥った。

根源を究めれば、この膠着状態はタイで最も先鋭な階層の対立を体現し、都市と農村の差別、貧富の分化など最も深刻な社会的矛盾が噴き出したものでもる。この膠着状態を解決できるか否か、関係するのは少数の政治家や政党の政治的前途だけでなく、ある1つのまたは一部の利益集団、社会階層の利益の得失だけでなく、タイ政治の安定と進歩、社会の繁栄と発展である。このため、その解決をどの政治家またはどの政権の正しい政策決定に期待する、というだけではだめであり、タイの各社会階層と政治勢力の大局的、長期的な視点に立った誠意と智恵に依存しなければならない。

インラック政権と反対派は次に、2つの大きな面から着手して膠着状態を打開しなければならない。第1は、利益の面で各方面が受け入れられる妥協案をまとめ、各階層に相対的かつ公平に経済社会発展による成果を共有させる。第2は、政治構造を調整し、農民など新興の政治勢力を取り込み、彼らに自らの利益の要求と政治的主張を示させ、法律と制度の力をもって各利益集団の間の矛盾を防ぎ、取り除く。

民衆の政治への参与、利益の均衡と社会の公正がまさに前進する必然的な方向であり、異なる階層の協力と共有は政治の安定、社会の安寧と経済の発展になくてはならない。こうして初めて、タイはより麗しい未来を手にすることできるのである。

「北京週報日本語部」2011年8月22日

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