◇何か不自然な周囲の反応◇
郡山市教育委員会にも電話で伺った。佳代ちゃんと温総理との手紙の交流については、知っているようだが、「詳しいものが、後ほど電話を入れます」というので電話を待った。夕方、市教育委員会から電話が入った。「詳しく知っている」という人も「学校長の話のとおりで、保護者がそっとしておいてほしい、とのことでした」と言うだけだった。
福島県郡山市立金透小学六年生の福島佳代さん(左)(季春鵬撮影)
「中国の温総理から返信をもらったということは、本人の佳代ちゃんをはじめ、学校や市教育委員会などにとっても喜ばしいことだと思います。本人の喜びの様子や級友、担任の先生、学校関係者などの反応が報道されれば、温総理自身や日本と中国との友好交流にもよい関係をもたらすことになると思います」と、電話で訴えた。
しかし、返答は「保護者が騒がれたくない、とのことなので、ご理解願いたい」と繰り返すだけだった。
在籍している児童が、明るく喜ばしいニュースの当事者となった取材は、現役記者時代たくさんあった。しかし、このように何か不自然な反応を受けたケースは一度もなかった。相手が希望しないのであればそれ以上話を聞くことはできなかった。
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