協調的発展が目的
経済成長が鈍化し、企業コストは増加しているものの、東部沿海地区が依然として中国で最も魅力のある地域であることは否定できない。商務部のデータによると、上半期の中国の実際外資利用額は608億9100万ドルで、同期比で18.4%成長した。中西部地区は実際外資利用額の成長率は引き続き東部地区より高かったものの、絶対額は依然東部地区より少ない。中国に投資する外国企業のほとんどはやはり東部地区に資金を投じているのだ。
国家発展改革委員会マクロ経済研究院の王一鳴常務副院長は、「東部地区、中部地区、西部地区のどこかがより強い競争力を持つことは中国政府の望むところではない。中国政府の希望は地域経済の協調的発展の実現だ」と言う。
王氏によれば、2000年以降、中国は西部大開発、東北老工業基地振興、中部地区崛起促進という地域発展戦略を相次いで実施、この3つの重点地域に投資を傾注し、現地のインフラ条件と投資環境を改善し、公共サービス水準を高め、これらの地域の経済成長原動力をある程度強化した。同時に東部沿海地区では、自身の経済的基盤をもとに積極的に国際分業に加わり、絶えず総合競争力を高めていった。こうして、各地域ごとに異なる重点を持つ発展構造がほぼ形成された。
現在の発展状況を見ると、東部と西部それぞれの比較優位性が次第に発揮され、地域を跨いだ産業分業体制が明らかに強化されてきている。近年来急成長している鉄鋼、建材、非鉄金属、自動車、エレクトロニクスなど基礎産業と加工業が東部沿海地区にいっそう集中する一方で、エネルギー工業など資源依存度が比較的高い産業が西部地区へと集中する動きが強まり、西南地区の水・電力資源開発、西北地区の天然ガス資源開発などが相当な規模にまで育ってきた。
王氏によると、中国の地域政策の核心目標は地域間の経済発展不均衡の解消と地域間の利益関係協調である。地域間の経済総量と成長率のコントロールの面ではまだ大きな格差があり、それにより多くの矛盾と問題が起きてはいるが、政府はこれらの問題の解決に努めており、市場経済体制下の地域経済政策の枠組みを再構築中である。
「北京週報日本語版」2011年8月25日 |