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格付け機関にあるべき理想とは

本誌記者 余 艶

 

主権債務の危機に深く陥った欧州連合(EU)は先ごろ、ムーディーズとスタンダード・アンド・プアーズ(S&P)、フィッチ・レーティング、この3大国際格付け機関による寡占が危機の悪化を招いたと非難した。この問題について本誌記者は、大公国際資信評估有限公司の関建中・董事長兼総裁にインタビューした。大公は国の信用リスク情報を国際社会に公表する中国、また世界で初の非西側の格付け機関。

10年7月11日、大公国際資信評估有限公司が北京で開いた国家信用格付けランクについての記者会見で発言する同社の関建中・董事長兼総裁

――現行の国際格付けシステムをどう見ていますか。

現行の国際格付けシステムは主にムーディーズとS&P、フィッチ・レーティング、この米国をバックにする3つの格付け機関が主導しています。彼らの格付けに対する発言権は絶対的な独占状態に置かれており、世界の金融市場はいずれも彼らが提供する格付け情報を使用しています。このシステムの弊害は08年の世界金融危機後、かなり明らかになってきました。

先ず、最も主要な問題は、主権国家の格付け機関が全世界の責任を担っていながら、国際社会によって有効に監督管理されていないということです。

次に、現有の競争体制とメカニズムにより、彼らは企業自身の利益のために、ランクを譲渡したり、あるいは原則を放棄したりしていることです。格付け機関は自身の生存のために、格付けをしているのですが、発行人は格付けの入札を行う場合、示されたランクが高いほうを求めます。従って、発行する機関は3社の機関に格付けをさせるという状況が生じます。こうした状況では、格付けが正確にリスクを示すのは無理であり、反対にリスクが蓄積されます。

第3に、彼らの格付け基準が具体的に示しているのは米国の価値観とイデオロギーであり、信用リスクが形成される内在的な関係を見てリスクを示しているわけではありません。彼らは米国という1国のイデオロギーと価値観で全世界の信用リスクを評価しているので、必然的に間違った結論が出てきます。まさにこうしたことから、08年に世界金融危機がもたらされたのです。今に至っても、この危機は深まり続けています。米国では、債権と債務の関係、あるいは信用の関係というものが全社会の経済基盤となっています。一方で、債権と債務の関係の均衡と安定は格付け情報に依存しています。ですから、08年の金融危機の発生は現行の格付けシステムと直接関係があるのです。

もしこの3つの根本的問題が解決されず、彼らの間違った情報を使用し続ければ、金融危機が再演されることになるでしょう。

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