本誌記者 蘭辛珍
7月21日、国際格付機関フィッチ・レーティングスは世界の金融機関向けの新しい存続性格付(VR)を始めると発表した。この格付では中国資本銀行16行に対して格付が行われているが、フィッチはこれらの中国資本銀行は格下げの可能性があると警告、その原因は資産品質リスクと資本金水準の脆さにあるとしている。
(左から)中国工商銀行、中国建設銀行、中国銀行 (公磊撮影)
フィッチはメディア向けニュースリリースで、新しい存続性格付等級体系は銀行自身の財務実力をさらに細かく判定するとしている。従来の「A」から「F」まで計10等級の格付と比べて、存続性格付の等級範囲はさらに広くなり、「AAA」から「F」まで計20等級となる。
中国資本でAランクの存続性格付をされた銀行は1つもなく、中国の商業銀行16行に対するフィッチのVRは「BB」から「B」の間だった。うち工商銀行、建設銀行、中国銀行が「BB」、農業銀行、交通銀行、招商銀行、中信銀行、浦東発展銀行、民生銀行、北京銀行、上海銀行が「BB-」、光大銀行、興業銀行、広東発展銀行、深圳発展銀行が「B+」、華夏銀行が「B」だった。
格付要因の影響で、7月の中国資本銀行株は海外投資機関から集中的に投売りされた。
中国銀行業には本当にそんなに恐ろしいリスクが存在するのだろうか?この疑問に対し、中国人民銀行が提供した資料には、中国銀行業は健全だと記されている。
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