本誌記者 馬 力
初めて陸川監督の映画『ココシリ』を見たとき、彼はもうその神秘の土地に心を奪われた。初めて徒歩でココシリを越えたとき、彼はココシリこそが自分の夢のありかだと思った。初めてココシリでチベットカモシカの出産を撮影したとき、彼は驚きと喜びの瞬間に大自然のいのちの不思議さを感じた。初めて高原で「環境保護の英雄」ソナンダジェ(索南達傑)の物語を耳にしたとき、彼は自分の一生をかつてこの英雄の戦った大地に捧げたいと言った。彼とは有名なカメラマンの裴竟徳氏である。
ココシリで撮影する裴竟徳氏
裴竟徳氏、野生生物カメラマン、環境保護ボランティア、中国撮影家協会会員。2005年から、彼は写真を通じてココシリにいる生物の種及び生態の変遷を記録しており、その作品が何回も国内外の写真展で大賞を受賞している。2009年には「緑色中国年度人物(地球に優しい中国人)」賞にノミネートされた。
「以前からずっとココシリにあこがれていた。2005年、偶然徒歩でココシリを越える機会があり、私は初めて間近にその魅力を感じ、ココシリこそが自分の一生の夢のありかだと思った」と裴氏は語った。ココシリを語るとき、この中国西北部出身の率直な男は記者に7年来ココシリを記録してきたことの動機と粘り強い根気を感じさせた。
ココシリは、現在世界における原始生態環境の保存が最も完全な地域の1つであり、現在、中国において面積が最大、海抜が最高で、野生動物資源が最も豊富な自然保護区の1つでもある。気候が厳しく、自然環境が極めて悪く、人類がそこで長期的に暮らすことができないため、ココシリは「生命の立ち入り禁止区域」と称されている。人々に知られていくにつれて、現在、この世界第3位、中国最大の無人地区が人類活動から受ける影響がますます大きくなっている。
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