本誌記者 蘭辛珍
経済発展方式の転換、経済構造の調整が、当面の中国経済にとって最も重要な問題となっている。だが、エネルギー高消費産業を効果的に抑制できないどころか、かえって勢いが出てきたことで、経済発展方式、経済構造の問題は一層深刻になり、矛盾も一層際立ってきた。
国家エネルギー局が7月14日公表した統計によると、今年上半期の全国の電気使用量は累計2兆2515億キロワット時、前年同期比で12.2%増えた。そのうち電力と鉄鋼、建材、非鉄金属、化学工業、石油化学の6大エネルギー高消費業界だけで5.3ポイント引き上げられた。6大業界の電気使用量は前年同期と比べ11%近く増えている。
同業界の電気使用量の増加は投資が依然、過熱していることを示すもので、経済の転換が困難な局面にあることを浮き彫りにした。「非合理的な経済構造、粗放型の発展方式、エネルギー資源への過度の消費依存による経済成長メカニズムは全く変わっていない」。国家エネルギー局電力司の許永盛司長はこう指摘する。
業界がもたらした影響は、省エネ・排出削減目標の達成が難しくなったことだ。年初に政府が定めた2011年の目標は、工業付加価値単位のエネルギー消費を4%少なくする、工業付加価値単位の二酸化炭素排出量を4%以上減らす、工業付加価値単位の水使用量を約7%減らす、工業固体廃棄物の総合利用率を2.2ポイント高める、となっている。
福建省泉州鵬翔崗石有限公司。石粉や砕石材で製造された石板材 (張国俊撮影)
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