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中国、社会基本養老制度の全国民カバー実現へ

 

養老金の原資に保障

中国が実行している社会基本養老保険制度の基本特徴は個人と世帯、政府、企業が責任を分担していることである。都市住民養老保険と新農村保険がカバーしている都市と農村の住民は雇用元がなく、責任は個人、政府の双方が分担する。

関心の集まっている養老金の原資の問題については、中国人力資源・社会保障部の資料によると、公務員と事業単位従業員には退職給与保障があり、この分は財政が負担する。企業従業員養老金は社会共済基金と個人口座基金から成り、従業員本人の前年給与総額の20%と8%の保険料を企業と個人がそれぞれ納入し、企業が納入した分は社会共済基金へ、個人が納めた分は個人口座基金に納められ、従業員が退職後に受給する養老金は共済基金と個人口座から支払われる。農村住民の保険加入者の養老金は個人納入分と政府補助から支払われる。

4月から、山東省済南市の農民60万人近くが毎月養老金を受給できるようになった(徐速絵撮影)

今年7月1日から始まった都市住民養老保険基金は主に個人による納入と政府の補助から成っている。『指導意見』の規定によると、都市住民養老保険制度の実施時すでに満60歳以上で従業員基本養老保険待遇と国が規定するその他養老待遇を受けていない人は、保険料を納入しなくても毎月基礎養老金を受給することができる。受給年齢まで15年に満たない人は毎年保険料を納めなければならず(追納も可)、累計加入期間は15年までとする。受給年齢まで15年以上の人は毎年保険料を納入しなければならず、累計加入期間は15年以上となる。

都市住民養老保険に加入した都市住民は規定に従って養老保険料を納入しなければならない。納入基準は現在、年間100元、200元、300元、400元、500元、600元、700元、800元、900元、1000元の10段階が設定されており、地方人民政府は実際状況に応じて保険料納入基準を増やすことができる。保険加入者は自分で保険料基準を選ぶことができ、納入保険料が多いほど受給する養老保険金も多くなる。

『指導意見』では、地方人民政府は保険加入者の保険料納入に対して補助を行い、補助基準は1人当たり毎年30元以上とすることが定められている。都市の重度身体障害者など保険料納入が困難な層については、地方人民政府は最低基準養老保険料の一部あるいは全部を肩代わりする。政府は、その他経済組織や社会組織、個人が保険加入者の保険料納入に対し資金援助するよう奨励する。財政部の情報によると、2011年に中央財政は都市と農村基本養老補助資金として1796億元を準備しているという。

上述の養老保険金のほか、中国には社会保障基金がある。この基金は中央財政払込資金、国有株放出、株式振替資産、国務院が可決したその他方式で調達された資金、投資収益から成る基金で、中央政府が集中管理し、統一使用しており、2009年末時点の資産総額は7766億元であった。

中国社会科学院人口・労働経済研究所の蔡昉所長は、中国の人口変化の最大の特徴は豊かにならないうちに高齢化社会を迎える「未富先老」であると指摘している。「未富先老」という挑戦を前にして、全国民の老後を保証する「全民養老」を成し遂げるのは壮挙と言うべきだ。この過程でぶつかるであろう困難もまた軽視することはできない。最も重要な問題は、政府の補助が明らかに財政支出に依存しており、保険加入者の拡大にともなって財政からの支出がいっそう大きな試練に直面するのは避けられず、公共財政能力にいっそう高い要求がつきつけられている点である。

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